自由な意思
Case285 労働契約が解除され在留資格が取り消されるおそれがある中で行われた賃金減額への同意が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・カワサキテクノリサーチ事件・大阪地判令4.7.22
(事案の概要) 外国人である原告労働者は、勤務成績及び勤務態度に問題があるとして、被告会社より正社員からアルバイトへの変更を打診されました。原告は、在留資格の関係上アルバイトになることはできないとしてこれを断りました。 […]
Case277 タイムカードで時間管理されていた営業職員について事業場外みなし制の適用が否定された事案・ヨツバ117事件・大阪地判令4.7.8
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社において営業職として外回りをしていましたが、就業規則において始業・終業時のタイムカードの打刻が義務付けられており、実際に原告は多くの日にタイムカードに打刻していました。 また、原 […]
Case275 雇用契約時の固定残業代の合意につき明確区分性を否定して無効としその後の固定残業代の合意も自由な意思に基づくものでないとして無効とした事案・酔心開発事件・東京地判令4.4.12労判1276.54
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社が経営する飲食店で料理長として勤務していました。 平成22年に雇用契約時に締結した雇用通知書には、給与について、休日手当ならびに深夜にかかる割増分を含み総額で月24万円とする旨が […]
Case263 最低賃金違反があることを知らずに締結された合意書による賃金債権放棄の効力が否定された事案・吉永自動車工業事件・大阪地判令4.4.28労判1285.93
(事案の概要) 原告労働者は、平成16年に大阪に所在する被告会社と時給6000円、所定労働時間8時間(時給換算で750円)で雇用契約を締結しました。 平成21年9月30日以降、原告の給与は大阪府の最低賃金を下回ってい […]
Case250 56時間ないし42時間分の固定残業代を導入する就業規則の変更が合理性を欠き無効とされた事案・インターメディア事件・東京地判令4.3.2
(事案の概要) 被告会社は、就業規則を変更し、業務手当を56時間ないし42時間分の固定残業代として支払う旨の本件規定を導入するなどしました(本件変更)。 これにより、原告労働者の給与は、基本給20万円とその他手当の合 […]
Case242 仮に未収金の回収が完了するまで退職金を支払わない旨の合意があったとしても自由な意思に基づくものでなく無効であるとされた事案・千田事件・大阪地判令4.5.20
(事案の概要) 本件は、被告会社を定年退職した原告労働者が、会社に対して退職金を請求した事案です。 会社は、原告との間で、原告が未収金の回収を完了しなければ退職金を支払わない旨の合意が成立していると主張しました。 ( […]
Case178 賃金減額規定が、減額事由、減額方法、減額幅等の点において基準としての一定の明確性を有するものでなければ個別の賃金減額の根拠たり得ないとした事案・ ユニデンホールディングス事件・東京地判平28.7.20労判1156.82
(事案の概要) 被告会社は、賃金規程の以下の規定を根拠に原告労働者を部長職から課長職へ降格し、賃金を減額しましたが、原告は特に異議を述べていませんでした。 ・昇降給は、月例給について行う。昇降給は、部署の業績および個人 […]
Case161 労働者の退職の意思表示はその経緯等を踏まえて労働者の自由な意思に基づくものでなければならないとして退職合意を無効とした事案・グローバルマーケティングほか事件・東京地判令3.10.14労判1264.42
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社で基本給30万円+歩合給の美容師として働いていましたが、会社は、原告の給与を基本給25万円+歩合給に変更しました。被告代表者は、減給に先立ち、全従業員が参加するミーティングにおいて […]
Case159 育休明けの時短勤務のために有期雇用への転換が必要であるとの説明に基づいてされた有期雇用契約書への署名が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・フーズシステムほか事件・東京地判平30.7.5労判1200.48
(事案の概要) 原告労働者(女性)は、無期雇用の事務統括として被告会社で働いていました。原告は、育児休暇からの復帰にあたり時短勤務を希望しましたが、会社は勤務時間を短縮するにはパート社員になるしかないと虚偽の説明をしま […]
Case158 無期雇用契約から有期雇用契約への労働条件変更に対する労働者の同意は自由な意思に基づくことが必要であるとした事案・社会福祉法人佳徳会事件・熊本地判平30.2.20労判1193.52
(事案の概要) 原告労働者は、NPO法人と無期雇用契約を締結していましたが、NPO法人から被告法人に対する事業移管に伴い、被告法人と雇用契約を締結しました。 原告が被告法人で就労を開始した後に、被告法人は原告に対して […]