Case23 ホテル従業員の労働者性及び不活動時間の労働時間性が認められた事案・ブレイントレジャー事件・大阪地判令2.9.3労判1240.70

(事案の概要)

 社会保険料の源泉徴収を嫌って労働契約から業務委託契約に切り替えて、従前と同様ラブホテルのフロント係の業務に従事していた原告が、会社に対して残業代請求をした事案です。

 原告のシフトは3日に1回程度の24時間勤務で、就業規則上は6時間休憩とされていましたが、仮眠時間等は指定されておらず、原告は業務時間中に適宜食事や睡眠をとっていました。

 原告の労働者性や、休憩時間の有無のほか、1か月間の変形労働時間制及び固定残業代の有効性が争点となりました。

(判決の要旨)

 判決は、原告は形式的には業務委託契約を締結しているものの、時間的場所的な拘束を受けている上、その業務時間・内容や遂行方法が、会社との間で労働契約を締結した場合と異なるところがなく、会社の指揮監督が及ぶものであったことから、原告は実質的には会社の指揮命令下で労務提供を行っていたとして、原告の労働者性を認めました。

 また、原告は、不活動時間中もフロント業務対応の可能性に備えて待機する必要性があったが、平日0時以降の深夜時間帯においては実作業に従事する必要性・可能性が薄い時間帯があり、役務提供が義務付けられていなかった時間が2時間はあったとして、1日2時間を除く時間を実労働時間と認定しました。

 1か月間の変形労働時間制及び固定残業代は無効とされました。

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