Case47 降格に基づく賃金減額が無効とされた事案・CFJ合同会社事件・大阪地判平25.2.1労判1080.87

(事案の概要)

 労働者が、降格及びこれに伴う賃金減額が人事権の濫用に当たり無効であるとして、主任職の地位確認及び降格前後の差額賃金を請求した事案です。

 被告は、原告を主任職から一般職に降格し、基本給及び役職手当を減額しました。原告の基本給は27万9511円から18万2750円に、役職手当は3万円(主任職)から0円に減額され、総支給額は月額32万8511円から22万8750円に約10万円減額されました。

 被告の給与規程には、基本給について、「Job Grade別に月額で定める」「Job Gradeは、従業員に割り当てられる職務の内容及び責任の度合に応じて決定する」と定められていましたが、具体的な給与レンジ等は内規としてのみ存在し、従業員に公開されていませんでした。

(判決の要旨)

 判決は、原告に対する降格自体は理由があるもので有効とし、主任職に対して支払われていた役職手当の減額は有効であるとしました。

 一方、労働者にとって最も重要な労働条件の一つである賃金額については、就業規則や賃金規程等に明示されるか、労働者の個別の合意がないまま、使用者の一方的な行為によって減額することは許されないというべきところ、被告のジョブグレード制度に基づき、基本給の減額が認められるためには、具体的な金額やその幅、適用基準を明らかにすべきであるとし、被告がこれらを明らかにしていないことや減額幅が大きいことから、本件降格による基本給の減額については人事権の濫用として無効としました。

 Blog記事「一方的な賃金減額のパターン」でいうと、役職手当については、「2 役職・職位の降格に伴う賃金減額」のパターン、基本給については「3 職務・役割等級制度上の等級の引下げによる賃金減額」のパターンに該当する裁判例といえると思います。

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