【残業代】Case628 入退場門から更衣所までの移動時間等は労働時間に当たらないとした最高裁判例・三菱重工業長崎造船所(一次訴訟・組合側上告)事件・最一小判平12.3.9労判778.8
(事案の概要)
三菱重工業長崎造船所(一次訴訟・会社側上告)事件・最判平12.3.9労判778.11の組合側上告事件です。
(判決の要旨)
組合側上告事件では、始業時刻前に入退場門から事業所内に入って更衣所等まで移動し、終業時刻後に更衣所等から入退場門まで移動して事業所外に退出した時間は、労働時間に当たらないとされました。
また、終業時刻後に手洗い、洗面、洗身、入浴を行った後に着替えを行った場合、労働者が使用者から事業所内での洗身等を義務付けられておらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったという事実関係の下では、洗身等はこれに引き続いてされた着替えを含めて、使用者の指揮命令下に置かれたものとは評価することができず、労働時間に当たらないとされました。
さらに、休憩時間中に作業所等から食堂等まで移動し、現場控所等において作業服及び保護具等の一部を脱離する時間、食堂等から作業所等まで移動し、脱離した作業服及び保護具等を再び装着した時間は、労働時間に当たらないとされました。

