Case55 シフト労働者について勤務実態から所定労働日数の合意を週4日間と認定した事案・ホームケア事件・横浜地判令2.3.26労判1236.91
(事案の概要)
原告は、「週5日程度」「業務の状況に応じて週の出勤日を決める」と記載された雇用契約書に基づき、訪問介護施設の送迎業務に従事していたシフト労働者です。
本件は、原告が被告に対して、週の所定労働日数が5日であったにもかかわらず、被告の責めに帰すべき事由によりこれに満たない日数しか労務を提供することができなかったと主張して、民法536条2項に基づき未払賃金の支払いを求めた事案です。
(判決の要旨)
一審(簡裁)判決
原告は、一審では休業手当と慰謝料の請求をしていましたが、棄却されました。
控訴審(地裁)判決
控訴審は、「週5日程度」と記載された雇用契約書から直ちに週の所定労働時間が5日であったと認定することはできないが、所定労働日数にかかる合意は、原告の勤務実態等を踏まえて、契約当事者の意思を合理的に解釈して認定するのが相当であるとしました。
そして、原告は概ね週4日勤務していたと認定し、所定労働日数にかかる合意は週4日と認めるのが相当であるとしました。
また、原告の出勤日は、被告が送迎計画表を作成することによって決定され、その判断は被告に委ねられていたことから、原告が送迎計画表に入らなかった日に就労しなかったことは、基本的には被告の責めに帰すべき事由によるものであったと解するのが相当であるとして、原告の請求を一部認めました。
※確定