今日の労働裁判例
Case195 人事考課により4年連続減給された事案で個々の人事考課に権限濫用はないとしても連続減額は不合理であり当初賃金から10%を超える減額部分は減額幅決定権限の濫用に当たり無効であるとした事案・マーベラス事件・東京地判令4.2.28労判1267.5

(事案の概要)  被告会社は、平成27年度から人事・報酬制度ガイドブックを定めて従業員に周知しました。本件ガイドブックでは、報酬テーブルとして84の賃金グレードが定められており(平成30年度までに242の賃金グレードに改 […]

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Case194 民法627条の2週間の退職予告期間を就業規則により延長することはできず退職に会社の許可を必要とすることもできないとした事案・高野メリヤス事件・東京地判昭51.10.29労判264.35

(事案の概要)  被告会社の就業規則には「退職を希望する場合は遅くとも1か月前、役付者は6か月前以前に退職願を提出し、会社の許可を得なければならない」と定められていました。  役付者(係長)である原告労働者は、3か月前に […]

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Case193 自宅を事務所とするよう命じられたことを理由とする有期雇用契約の即時解約は会社の故意過失によるものであるとして残期間の賃金相当額の賠償を認めた事案・マガジンプランニング事件・京都地判平23.7.4労旬1752.83

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の大阪支店で働いていましたが、会社は、原告以外の大阪支店の従業員が退職するのに伴い、大阪支社を廃止することにしました。  原告は、本社所属の大阪事務所の駐在員として、会社と新たに1 […]

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Case192 退職願を人事部長が受理した時点で合意退職申込みに対する会社の承諾があったとし以後の退職願の撤回を認めなかった最高裁判例・ 大隈鐵工所事件・最判昭62.9.18労判504.6【百選10版68】

(事案の概要)  原告労働者から政治団体の勧誘を受けたことがきっかけで失踪した従業員の調査のため、被告会社の人事部長らが原告と面談した際、原告は、呆然自失で沈黙したのち、突然退職すると告げて、慰留も拒んで退職願を提出し、 […]

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Case191 会社が不正経理の疑いのある労働者の退職を認めないとしても退職届の提出から2週間で退職の効力が生じその後の懲戒解雇は無効とした事案・エスエイピー・ジャパン事件・東京地判平14.9.3労判839.32

(事案の概要)  原告労働者2名による不正経理問題が発覚し、その直後に原告Aは即日退職する旨の退職届を、原告Bは即日退職する旨の退職届と有給休暇届を同時に提出し、その後出社しませんでした。会社は、原告らの退職を認めないと […]

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お知らせ
2022.9.7 ラジオ出演

名古屋のZIP-FM 77.8【SUPER CAST】に出演し、退職代行についてお話しました。 Twitterで退職代行について発信したところ、反響が多く出演となりました。 1週間はRadikoでアーカイブを視聴可能です […]

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Case190 懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は特段の事情のない限り当該懲戒の理由にならないとした最高裁判例・山口観光事件・最判平8.9.26労判708.31【百選10版53】

(事案の概要)  原告労働者が被告会社に対して、疲労困憊のため翌日から2日間休みたいと申し入れたところ、会社は出勤拒否を理由に原告を懲戒解雇ないし普通解雇しました。  原告が申し立てた地位保全等仮処分において、会社は、原 […]

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Case189 元請会社の現場で起きた落下事故について下請会社の労働者に対する元請会社の安全配慮義務違反が認められた事案・大石塗装・鹿島建設事件・最判昭55.12.18労判359.58【百選10版50】

(事案の概要)  本件労働者は、被告A社に雇用され、元請会社である被告B社の現場で働いていましたが、地上31メートルの足場で塗装工事に従事している際、地上に落下し死亡しました。本件労働者が命綱を付けておらず、養生網に隙間 […]

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Case188 上司ともみ合いになっただけでは暴行があったとはいえないとして懲戒解雇及び普通解雇が無効とされた事案・シナジー・コンサルティング事件・東京地判令3.2.15労判1264.77

(事案の概要)  本件は、原告労働者が、上司に暴行を加えたことなどを理由に懲戒解雇ないし普通解雇された事案です。  原告と上司は、職場で口論になり、お互い近づきつかみ合うなどし、同僚に制止されました。その際、原告は頚椎捻 […]

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Case187 シフト制の医師につき固定した勤務日および勤務時間の合意があったとしてシフト削減を無効とした事案・医療法人社団新拓会事件・東京地判令3.12.21労判1266.44

(事案の概要)  原告労働者は、医師として被告法人とアルバイト雇用契約を締結していました。原告は当初、法人が募集した曜日・時間帯のシフトにその都度応募し勤務するスポットという形式で働いていましたが、固定の曜日・時間帯のシ […]

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