今日の労働裁判例

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Case359 内定者に入社前研修を命じる根拠はなく入社前研修への不参加を理由とする内定取消しは違法であるとした事案・宣伝会議事件・東京地判平17.1.28労判890.5

(事案の概要)  原告は、大学院で博士号取得のための研究をしながら被告会社の新卒採用に応募し採用内定を得ました。会社は、原告に対して入社前研修への参加や課題を求めましたが、原告は研究に専念するため入社前研修に一部参加しま […]

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Case358 人事部長からの退職勧奨に続く「明日から出社しなくてよい」旨の発言が解雇の意思表示に当たるとして当該解雇を無効とした事案・みんなで伊勢を良くし本気で日本と世界を変える人達が集まる事件・名古屋高判令1.10.25労判1222.71

(事案の概要)  原告労働者Aは、テーマパークを運営する被告会社と雇用契約を締結しましたが、労働条件は会社側から口頭で告げられただけで、試用期間3か月という説明はあったものの、最初の1か月はアルバイトという説明はありませ […]

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Case357 事務局長代理から経理主任への降格を人事権の濫用として無効とし事務局長代理の地位にあることの確認を認めた事案・大阪府板金工業組合事件・大阪地判平22.5.21労判1015.48

(事案の概要)  原告労働者は、平日に年次有給休暇等を取得したり欠勤すること、監事会等重要な会議の日に休暇を取得すること等が、事務局長代理人相応しくないという理由で、事務局長代理から経理主任に降格され、これに伴い手当が月 […]

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Case356 在日朝鮮人に対する本籍や氏名等の虚偽申告を理由とする内定取消し及び懲戒解雇が国籍による差別に当たるとして違法無効とされた事案・日立製作所事件・横浜地判昭49.6.19労判206.46

(事案の概要)  在日朝鮮人である原告労働者は、被告会社の雇用期間2か月の臨時工に応募し内定を得ましたが、提出した履歴書に通称名を記載し本籍等を偽り、面接官にも履歴書記載の氏名や本籍が真実であると回答しました。  原告が […]

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Case355 採用面接において前職場でセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを告知しなかったことを理由とする解雇が無効とされた事案・学校法人尚美学園事件・東京地判平24.1.27労判1047.5

(事案の概要)  被告法人が設置する大学の教授である原告労働者は、以前の勤務先でセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを採用面接で告知しなかったことを理由に解雇されました。なお、採用面接において、前職で事件を起 […]

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Case354 給与体系等が異なる管理職の等級から非管理職の等級への降級につき管理職の等級の地位にあることの確認が認められた事案・マッキャンエリクソン事件・東京高判平19.2.22労判937.175

(事案の概要)  原告労働者は、広告代理店である被告会社で勤務していました。  被告では、成果主義賃金体系を基礎とする新賃金規程が導入され、給与等級7級以上は管理職、給与等級6級以下は非管理職とされ、原告は給与等級7級に […]

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Case353 採用応募者の同意を得ずにB型肝炎ウイルス検査をしたことがプライバシー侵害の不法行為に当たるとした事案・B金融公庫(B型肝炎ウイルス感染検査)事件・東京地判平15.6.20労判854.5

(事案の概要)  原告は、被告金融公庫の新卒採用試験の4次面接までパスし、被告の指示で健康診断を受けました。その結果、肝臓の数値が高いとして、被告の指示で血液検査が行われましたが、それがB型肝炎ウイルスの検査であることは […]

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Case352 教授会による教授に対する演習科目停止措置を無効とし特定の演習科目の指導を担当する地位の保全を認めた事案・学校法人A学園事件・大阪高決平13.4.26判タ1092.170

(事案の概要) 本件労働者は、本件法人が設置する本件大学で教授として勤務していました。 本件労働者は、学生に対するセクハラを理由に法人から訓戒処分を受けるとともに、教授会に「教務上の措置」として全演習科目について担当を停 […]

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Case351 組合員であることを理由とする採用拒否は特別の事情がない限り不利益取扱いの不当労働行為に当たらないとした最高裁判例・JR北海道・JR貨物事件・最判平15.12.22民集57.11.2335【百選10版103】

(事案の概要)  不当労働行為救済命令に対して、原告会社らが提起した取消訴訟です。  国鉄民営化により国鉄事業を原告会社らJR各社(承継法人)が承継するにあたり、JR各社の職員の採用は、日本国有鉄道改革法(改革法)に基づ […]

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Case350 パチンコ店のホールスタッフが入社に当たり風俗店での勤務歴を申告しなかったことを理由とする懲戒解雇が無効とされた事案・岐阜地判平25.2.14ジュリスト1464.124

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告会社と有期雇用契約を締結してパチンコ店のホールスタッフのアルバイトとして勤務していました。  原告は、過去に風俗店で勤務していたことを履歴書に書いていませんでした。会社は、後に […]

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