今日の労働裁判例
Case39 准教授から事務職員への職種変更命令を無効とした事案・学校法人日通学園(大学准教授)事件・東京高判令3.2.24
(事案の概要) 大学准教授として勤務していた原告は、自律神経機能不全症の診断で休職した後、復職可能の診断書を提出して大学に復職を求めましたが、3回にわたり休職の延長を命じられたのち、事務職員として復職させる旨の職種変更 […]
Case38 精神障害の増悪について「特別な出来事」が必要とする労災認定基準に縛られないとした事案・国・三田労基署長(日本電気)事件・東京高判令2.10.21労判1243.64
(事案の概要) 精神障害による自殺の事案で、労災不支給決定に対する取消訴訟です。 被災者は、メセナ(芸術文化支援)エキスパートとして社会貢献支援活動関係の企画・運営、広報活動等の業務を行っていましたが、平成20年4月 […]
Case37 アルコール依存症等の既往歴がある労働者の自殺が労災と認められた事案・国・福岡中央労基署長(新日本グラウト工業)事件・福岡地判令3.3.12労判1243.27
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟で、過労自殺の事案です。 労働者は、会社に入社する約2か月前に不安障害と診断されていました。また入社の約1年後にアルコール依存症と診断されていました。 労働者は、直近6 […]
Case36 女性社員に総合職転換の機会を与えないことが均等法違反とされた事案・巴機械サービス事件・東京高判令4.3.9労判1275.92
(事案の概要) 女性社員である原告らが、会社に対し、自らが一般職とされ、総合職である男性社員との間に賃金格差が生じていることについて、会社の給与規定等が労基法4条(男女差別)に違反し、また、採用時に女性であることのみを […]
Case35 業務委託とされていた者の労働者性が認められた事案・サンフィールド事件・大阪地判令2.9.4労判1251.89
(事案の概要) 原告は、会社と「業務委託契約書」を締結し、会社がA社から受託した業務を行っていました。また会社と締結した「覚書」に従い、会社から月額基本料等の支払を受けていました。覚書には、勤務時間(8時間)を超えて勤 […]
Case34 料理長の過労死につき会社と代表取締役の責任が認められた事案・株式会社まつりほか事件・東京高判令4.3.10判時2543.75
(事案の概要) 会社の経営するレストランで料理長として勤務していた労働者が、自宅で不整脈を発症し、翌日死亡しました。 労働者の死亡について、遺族らの再審査請求を経て、労基署長による労災支給決定がなされました。なお、遺 […]
Case33 労災事故の約2年後に発症した精神障害も労災と認められた事案・国・一宮労基署長(ティーエヌ製作所)事件・名古屋高判令3.4.28労判1251.46
(事案の概要) 精神障害の労災不支給決定及び一部不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、平成24年10月に業務中に頭部を機械に挟まれる事故(本件事故)により、左眼眼球破裂等の傷害を負い、平成28年には、左眼につき光 […]
Case32 米軍基地の労働者に対する制裁措置を無効とした事案・国(在日米軍基地従業員・出勤停止)事件・那覇地判令3.7.7労判1251.24
(事案の概要) 国が行った、在日米軍基地で働く駐留軍等労働者(国が雇用し、日米両政府が分担して労務管理を行っている。)12名に対する制裁措置(私企業でいう懲戒処分)の効力が争われた事案です。 国と駐留軍等労働者の雇用 […]
Case31 部下がメモをとることを制限したこと等がパワハラと認められた事案・長崎県ほか(非常勤職員)事件・長崎地判令3.8.25労判1251.5
(事案の概要) 長崎県の非常勤職員として任用された原告(女性)が、配属先の直属の上司(男性)から度重なるセクハラ及びパワハラを受け、適応障害を発症して労務提供が不能になったと主張して、長崎県及び上司に対して損害賠償(予 […]
Case30 工場内での落下事故につき会社の安全配慮義務違反を認めた事案・山崎工業事件・静岡地沼津支判令2.2.25労判1244.94
(事案の概要) 原告は、会社の鋳造工場において製品(高さ1m65cm)の上でエアブロー作業をしていたところ、後方から走行してきたクレーンのフック(高さ3m)が原告の左肩背部に当たり製品から落下する事故で、左足第4指骨折 […]