今日の労働裁判例
Case19 第三者委員会が認定したパワハラを理由とする懲戒解雇を無効とし賞与請求も認めた事案・社会福祉法人ファミーユ高知事件・高松高判令4.5.25
(事案の概要) 第三者委員会が認定したパワーハラスメントを理由になされた懲戒解雇の有効性が争われた事案です。賞与請求の可否の争点となりました。 被告が運営するリハビリセンターの職員が大量に退職した原因が、センター長で […]
Case18 懲戒審査中の出勤停止期間につき賃金請求を認めた事案・JTB事件・東京地判令3.4.13労経速2457.14
(事案の概要) 経費の不正受給を理由とする懲戒解雇(諭旨退職処分に応じなかったことによる。)の有効性が争われた事案です。 会社の就業規則上、従業員の不正事故を確認した場合、事故内容調査中及び懲戒審査中、その出勤を停止 […]
Case17 運行管理から倉庫業務への配転命令を無効とした事案・安藤運輸事件・名古屋高判令3.1.20労判1240.5
(事案の概要) 運行管理者の資格を持ち運行管理業務や配車業務に従事していた労働者を、倉庫業務へ配置転換する配転命令の有効性が争われた事案です。 配置転換による賃金の引き下げはなく(事実上1、2万円の休日手当を受けるこ […]
Case16 休職命令及び休職期間満了による退職を無効とした事案・タカゾノテクノロジー事件・大阪地判令2.7.9労判1245.50
(事案の概要) 休職期間満了による退職扱いとされた労働者が、会社に対して、休職命令の無効を主張して雇用契約上の地位等を争った事案です。 本件の労働者は、適応障害により1回目の休職をしており、本件が2回目の休職でした。 […]
Case15 退職金制度廃止に対する自由な意思に基づく同意を否定し不利益変更を無効とした事案・東神金商事件・大阪地判令2.10.29労判1245.41
(事案の概要) 本件は、退職金規程の不利益変更を行った会社に対して、労働者らが旧退職金規程に基づく退職金の支払を求めた事案です。 原告の一人は、会社から退職金制度廃止の説明を受け、特に意義を述べず、退職金の支払のため […]
Case14 高校教員の整理解雇が無効とされた事案・学校法人明浄学院事件・大阪地判令2.3.26労判1246.91
(事案の概要) 私立高校の教員2名に対する整理解雇の有効性が争われた事案です。 原告らに対する整理解雇は、原告ら以外の教員2名が懲戒解雇され、8名が希望退職に応じ、定年退職予定者が1名いる状況で行われました。また、被 […]
Case13 組合員の言動を理由とする損害賠償請求が否定された事案・首都圏青年ユニオン執行委員長ほか事件・東京地判令2.11.13労判1246.64
(事案の概要) 労働組合と団体交渉をしていた会社の執行役員であった特定社会保険労務士(原告)が、団体交渉時の組合員の言動、SNSへの投稿(「平気で噓をつくブラック社労士やなりすまし社労士」など)により名誉を毀損されたな […]
Case12 シフト決定権限の濫用を認め平均賃金の支払を認めた事案・シルバーハート事件・東京地判令2.11.25労判1245.27
(事案の概要) 労働時間について雇用契約書に「8時間」「シフトによる」との記載しかない労働者が、会社によるシフトの削減が不当であるとして、削減された分の賃金の支払を求めた事案です。 労働者のシフトは、平成29年5月は […]
Case11 タイムカード上の労働時間を否定した労災不支給決定が取り消された事案・国・大阪中央労基署長(リーヴスホーム)事件・大阪地判令3.3.15労判1249.35
(事案の概要) 不動産の任意売却等の業務を行っていた労働者の、労災不支給決定(精神障害)に対する取消訴訟です。 原告のタイムカードの打刻によると、原告の時間外労働は恒常的に月100時間を超えていましたが、労基署長らは […]
Case10 給与規程の不利益変更が無効とされた事案・学校法人梅光学院(給与減額等)事件・山口地下関支判令3.2.2労判1249.5
(事案の概要) 大学教員として勤務していた原告らが、給与規程及び退職金規程の変更が、労働契約法10条に違反する不利益変更であるとして、変更の有効性を争った事案です。 給与規程の変更により、業績を評価した職能等級が加え […]