公務員
【不当解雇、懲戒処分、損害賠償】Case468 国歌斉唱の際の不起立を理由に2度の戒告処分を受けた教員に対する定年後再任用拒否が違法とされた事案・大阪府(府立学校教員再任用)事件・大阪高判令3.12.9労判1298.30
(事案の概要) 被告大阪府立学校の教員として勤務してきた原告労働者は、過去に2回、卒業式の国家斉唱の際に起立斉唱しなかったことを理由に戒告処分を受けていました。 原告は、定年を迎えるに当たり、教育委員会から校長を通じて […]
【労災、損害賠償】Case450 国が公務員に対して安全配慮義務を負うことを明示した最高裁判例・自衛隊車両整備工場事件・最判昭50.2.25労判222.13
(事案の概要) 自衛隊員である本件労働者は、自衛隊の車両整備工場で車両の整備をしていたところ、同僚の運転する大型自動車に頭部を轢かれて即死しました。 本件は、本件労働者の遺族である原告らが、国に対して安全配慮義務違反 […]
【配置転換、懲戒処分】Case437 大阪市によるアンケート調査を争う別件訴訟の提起を契機とするバス運転手から運輸課への転任命令が取り消された事案・大阪市・市交通局長(転任)事件・大阪高判平27.6.18労判1122.18
(事案の概要) 原告労働者は、被告大阪市において約20年間にわたりバスの運転手をしていました。大阪市長は、平成24年に職員の政治活動及び組合活動に関するアンケート調査を実施しました(後に不当労働行為と認定されています) […]
【不当解雇】Case436 市職員から市の教員に任命された者は1年間の条件附採用の対象とならないとして免職処分(採用拒否)が取り消された事案・大阪市・市教委(教員・免職処分)事件・大阪高判平20.8.29労判978.41
(事案の概要) 原告労働者は平成10年に被告大阪市に事務職員として採用されました。原告は、仕事をしながら教員免許を取得し、平成16年3月31日に大阪市長から「願により本職を免じる」との、同年4月1日に市教委委員長から「 […]
【労災】Case434 骨髄増殖性腫瘍の持病を持つ豚舎職員の人畜共通病原菌であるロドコッカス・エクイ菌の感染症について公務起因性を認めた事案・地公災基金熊本県支部長(農業研究センター)事件・熊本地判令5.1.27労判1290.5
(事案の概要) 公務災害を否定する認定処分に対する取消訴訟です。 本件労働者は、熊本県農林水産部農業研究センター畜産研究所中小家畜研究室(本件研究室)の養豚エリアで、豚の餌やり、餌箱内の豚の糞や豚房に溜まった糞をスコ […]
【退職無効】Case423 公務員が病気休暇中に上司から示されて提出した退職願が、自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・栃木県・県知事(土木事務所職員)事件・宇都宮地判令5.3.29労判1293.23
(事案の概要) 原告労働者は、平成3年に栃木県知事によって被告栃木県の技術吏員に任命され、県内の土木事務所で勤務していましたが、平成27年から双極性感情障害を理由に180日間の病気休暇を取得し、478日間休職し、平成2 […]
【労災、精神障害、損害賠償】Case339 公立高校教員について超勤4項目以外の部活動の時間等も含めて業務の量的過重性を評価すべきであるとして校長の安全配慮義務違反を認めた事案・大阪府(府立高校教員)事件・大阪地判令4.6.28労判1307.17
(事案の概要) 本件は、被告大阪府が設置する高校に教員として勤務していた原告労働者が、長時間労働により適応障害を発症したとして、大阪府に対して国家賠償請求した事案です。 原告は、授業の他に、生徒会部に所属したほか卓球 […]
【不当解雇】Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5
(事案の概要) 懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。 原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]
【労災】Case298 職員の時間外勤務の時間や業務負担の管理等について市の安全配慮義務違反が認められた事案・青森市事件・青森地判令4.9.27
(事案の概要) 原告労働者は、被告青森市の職員として、成人式の開催に関する事項と担当していたところ、執務中に気分が悪くなり、トイレにて激しく嘔吐した後に廊下で意識を失い病院に救急搬送されて入院しました(本件災害)。 […]
【パワハラ、セクハラ】Case286 パワハラ・セクハラによるうつ病発症後の配置転換等についても国の安全配慮義務違反が認められた事案・国・高松刑務所事件・高松高判令4.8.30
(事案の概要) 新人刑務官として勤務していた原告労働者(女性)は、先輩職員Aに小部屋に呼び出され「私仕事せん奴大嫌いやけん。お前は刑務官の服着たお人形さんや。今は新人やけん許されとるけど、ちゃんとやらんかったら見捨てら […]