労働時間
Case368 使用者が実態と異なることを理由に就業規則の拘束力を否定することは許されず、出来高払制とされていたトラックドライバーにも日給月給制を採用する就業規則が適用されるとした事案・大島産業事件・福岡高判平31.3.26労経速2393.24
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社で長距離トラックドライバーとして勤務していました。 会社は本件就業規則作成時には土木工事業のみを営んでおり、従業員の賃金体系を日給月給制としていました。しかし、その後始めた運送業 […]
Case339 公立高校教員について超勤4項目以外の部活動の時間等も含めて業務の量的過重性を評価すべきであるとして校長の安全配慮義務違反を認めた事案・大阪府(府立高校教員)事件・大阪地判令4.6.28労判1307.17
(事案の概要) 本件は、被告大阪府が設置する高校に教員として勤務していた原告労働者が、長時間労働により適応障害を発症したとして、大阪府に対して国家賠償請求した事案です。 原告は、授業の他に、生徒会部に所属したほか卓球 […]
Case338 時間管理されていなかった大学教員についてパソコンのログイン・ログアウト時刻から労働時間を算定し、遡っての欠勤控除を否定した事案・学校法人目白学園事件・東京地判令4.3.28労経速2491.17
(事案の概要) 被告法人が設置する大学で講師をしていた原告労働者の雇止めが有効とされた事案ですが、残業代請求が認められています。 法人は、原告の労働時間管理を何らしていなかったため、原告は、パソコンのログイン時刻とロ […]
Case334 オフィスビルの入退室記録から始業時刻及び終業時刻を推認し残業代請求を認容した事案・クレディ・スイス事件・東京地判令4.4.12労判1292.55
(事案の概要) 整理解雇が有効とされた事案ですが、原告労働者の被告会社に対する残業代請求が認められています。 会社は、原告がヴァイス・プレジデントであり、就業規則上エグゼンプト社員に位置付けられるから、賃金規程により […]
Case312 週40時間を超えるシフトによる変形労働時間制を無効とし事実上強制されたセミナーの受講時間が労働時間に当たるとした事案・ダイレックス事件・長崎地判令3.2.26労判1241.16
(事案の概要) 原告労働者が、変形労働時間制の無効を主張して会社に対して残業代請求した事案です。 被告会社の就業規則では、所定労働時間は1か月を平均して1週間40時間とすること、その所定労働時間、所定労働日ごとの始業 […]
Case291 警備員が週に1度支社に赴き勤務実績報告書の提出等を行っていた時間及び現場から支社への移動時間が労働時間と認められた事案・テイケイ事件・東京高判令4.12.8
(事案の概要) 被告会社と雇用契約を締結し取引先の現場で警備員として勤務していた原告労働者は、毎週水曜日に会社の支社に赴き、勤務実績報告書の提出、制服の点検、シフト希望表の作成・提出、賃金支払票の受領等をしていました( […]
Case278 早出残業が常態化していた看護師についてナースステーションのパソコンのログイン時刻による残業代請求が認められた事案・埼玉県立病院機構事件・さいたま地判令4.7.29
(事案の概要) 被告法人が設置する病院において看護師をしていた原告労働者は、始業時刻から業務を行ったのでは、申し送りの時刻までにやることとされている業務を終えることができないため、始業時刻より前に業務に着手し、ナースス […]
Case269 乗務員の待機場所間違いにより生じた2分の遅れに対する賃金控除を無効とし2分間分の賃金請求権を認めた事案・JR西日本(岡山支社)事件・岡山地判令4.4.19労判1275.61
(事案の概要) 運転士である原告労働者は、回送列車を移動させる作業を行う際、待機すべきホームの番線を間違えたため、被告会社から指定された時刻より2分遅れて作業を開始し、1分遅れてその後の作業を完了しました。 会社は、 […]
Case232 顧客車両の運行・保守管理を業務とする運転手について自宅近くの車庫と顧客の自宅を顧客車両で移動する時間が労働時間に当たるとして過労死に対する会社の安全配慮義務違反が認められた事案・セーフティ事件・横浜地判令4.4.27労働判例ジャーナル125.1
(事案の概要) 本件労働者は、会社役員車等の運行・保守管理の請負等を業とする被告会社に雇用され、顧客の役員付の運転手として勤務し、月平均約150時間の時間外労働の末、勤務中に心筋梗塞を発症して死亡しました。本件労働者に […]
Case219 終業時間後の緊急対応のために事務所内で待機していた時間が労働時間と認められた事案・システムメンテナンス事件・札幌高判令4.2.25労判1267.36
(事案の概要) 原告労働者は、機械式駐車場のメンテナンス業務に従事していました。 被告会社では、終業時間後の夜間と休日の当番が、会社から貸与された携帯電話に顧客から連絡があった場合に対応し、必要に応じて現場に臨場して […]