取消訴訟
Case372 発症と悪化で形式的に異なる基準を用いるべきではないとして精神障害の発症時点では業務起因性が認められなかったものの悪化時点で業務起因性が認められた事案・国・北九州東労基署長(TOTOインフォム)事件・福岡地判令4.3.18労判1286.38
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、業務内容や業務量の変化や、上司に当たるAから厳しく指導を受けるなどし、平成23年4月にうつ病などと診断され(本件発症)、休業しましたが、同年7月に復職しま […]
Case345 運行時間外手当の固定残業代性を否定し、これを有効として給付基礎日額を算定した労災支給決定を取り消した事案・国・所沢労基署長(埼九運輸)事件・東京地判令4.1.18労判1285.81
(事案の概要) 原告労働者は、本件会社における月平均約100時間を超える長時間労働が原因で狭心症を発症しました。労基署は、原告の狭心症の発症につき労災支給決定をし、給付基礎日額を増額する変更決定をして改めて支給決定(本 […]
Case337 既に精神障害を発病している労働者の発病・悪化についても、業務による心理的負荷が精神障害を発病させる程度に強度であるといえるかによって業務起因性を判断すべきであるとした事案・北九州東労働基準監督署長事件・福岡地判令4.3.18労経速2499.9
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件会社でシステムエンジニアをしていた原告労働者は、出向中の平成23年4月に精神障害を発症していましたが(本件発症)、帰任後に二人体制でやっていた業務を一人で行う […]
Case335 長時間労働に加え職員の時間外勤務時間を月80時間以内に修正する作業をさせられ精神疾患を発症した公務員について公務起因性が認められた事案・地方公務員災害補償基金愛知県支部長事件・名古屋地判令3.4.19労経速2458.25
(事案の概要) 公務災害を否定する処分に対する取消訴訟です。 市の職員であった原告労働者は、それまで庶務・管理的な内部事務の経験はありませんでしたが、平成19年4月に本件病院の事務強管理下に配置換えになり、職員の出張 […]
Case323 トラック運転手からラーメン店の店長候補に配置転換された労働者について精神疾患発症の業務起因性を認めた事案・国・笠岡労働基準監督署長事件・岡山地判令4.3.30労経速2508.8
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告労働者は、会社でトラック運転手として配送業務をしていましたが、会社が経営するラーメン店の店長候補に配置転換されました。 原告は、慣れない業務を行う中でおおむ […]
Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5
(事案の概要) 懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。 原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]
Case293 労災保険の特別加入者である取締役が行った車両の探索・下見が労働者の行う業務に準じた業務の範囲外であるとした労災不支給決定が取り消された事案・国・川越労基署長(サイマツ)事件・東京地判令3.4.5労判1278.80
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、運送業を行う本件会社の取締役で、運転業務について労災保険に特別加入していました。 原告は、会社で購入する車両の探索・下見のためオークション会場に赴いた際 […]
Case268 30年以上問題なく勤務してきたが酒気帯び運転で逮捕され懲戒免職処分となった高校教諭の退職金を全額不支給とすることも有効とした最高裁判例・宮城県・県教委(県立高校教諭)事件・最判令5.6.27労判1297.78
(事案の概要) 被告宮城県の公立高校で教員をしていた原告労働者(勤続30年)は、勤務先の歓迎会で飲酒した帰りに自動車を運転し物損事故を起こし、酒気帯び運転で逮捕されました。 県教育委員会は、原告を懲戒免職処分とし、退 […]
Case258 非組合員にのみ賞与を支給し組合員には一切支給しなかったことが不利益取扱いの不当労働行為に当たるとされた事案・国・中労委(大久保自動車教習所)事件・東京地判令4.2.2
(事案の概要) 中央労働委員会の不当労働行為一部救済命令に対する取消訴訟です。 本件労働組合が、本件会社が組合員に対して冬季賞与を支給しなかったこと等が不利益取扱い等の不当労働行為に当たるとして京都府労働委員会に対し […]
Case245 「強」に近い長時間労働と被災者の起こした事故を合わせて心理的負荷の強度を「強」として業務起因性を認めた事案・国・名古屋北労基署長(ヤマト運輸)事件・名古屋地判令2.12.16労判1273.71
(事案の概要) 本件は、本件会社でセンター長として勤務していた被災者が自殺したことについて、妻である原告が過労死として労災申請をしたところ業務起因性がないとして不支給決定となったため、その取消を求めた事案です。 被災 […]