百選

今日の労働裁判例
Case174 過労自殺について会社の安全配慮義務違反を認め労働者の性格や態様等を理由とする過失相殺を否定した最高裁判例・電通事件・最判平12.3.24労判779.13【百選10版49】

(事案の概要)  本件労働者は、被告会社に新卒入社してから恒常的に長時間の残業を行い、帰宅しない日も多くなりました。  上司は、本件労働者に対して、帰宅してきちんと睡眠をとり、必要であれば翌朝早く出勤するよう指導しました […]

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Case167 割増賃金相当額が歩合給から控除される賃金体系では労基法37条の割増賃金を支払ったとはいえないとした最高裁判例・ 国際自動車(第二次上告審)事件・最判令2.3.30労判1220.5【百選10版40】

(事案の概要)  原告労働者らはタクシー乗務員です。  被告会社の賃金規程は、賃金につき概ね次のとおり定めていました。  かなり複雑な計算式ですが、簡単に言うと、歩合給⑴の計算にあたり対象額A(売上高の一部)から割増賃金 […]

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Case160 変形労働時間制における勤務指定を使用者が任意に変更し得る旨の規定は「特定」の要件を満たさず無効であるとした事案・JR西日本(広島支社)事件・広島高判平14.6.25労判835.43【百選10版37】

(事案の概要)  鉄道会社である被告会社は、運転士である原告労働者らにつき労基法32条の2に基づく1か月単位の変形労働時間制を採用しており、就業規則には、従業員の勤務につき、「毎月25日までに翌月分を指定する」こと、「た […]

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Case144 降格・減給を基礎づける就業規則の変更は賃金に関する不利益変更であり高度の必要性に基づいた合理的な内容でなければならないとした事案・アーク証券事件・東京地決平8.12.11労判711.57【百選10版61】

(事案の概要)  賃金仮払いの仮処分の事案です。  本件会社の旧就業規則には「社員の給与については、別に定める給与システムによる。」とのみ定められ、具体的な給与の細目は毎年改定される給与システムによって定められていました […]

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Case140 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるとした最高裁判例・大星ビル管理事件・最判平14.2.28労判822.5【百選10版36】

(事案の概要)  原告労働者らは、ビル管理会社である被告会社の従業員として、ビル設備の運転操作・監視および整備、ビル内巡回監視等の業務に従事していました。  原告らは、午前9時からの24時間勤務に就くことがあり、その際、 […]

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Case137 懲戒解雇の場合の退職金不支給条項につき全額不支給及び一部不支給が有効となる場合を制限した事案・小田急電鉄(退職金請求)事件・東京高判平15.12.11労判867.5【百選10版34】

(事案の概要)  原告労働者は、過去に2度、電車内での痴漢行為により罰金刑に処せられ、2度目は被告会社から昇給停止及び降職処分を受け始末書を提出していました。  原告が再び電車内での痴漢行為により執行猶予付きの懲役刑に処 […]

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Case134 適正な賃金の額を支払うための調整的相殺は、時期、方法、金額等から労働者の経済生活の安定との関係上不当でなければ労基法24条1項の全額払い原則に反しないとした最高裁判例・福島県教組事件・最判昭44.12.18労判103.17【百選10版31】

(事案の概要)  原告労働者ら146名は、組合運動のため欠勤しましたが、被告福島県は欠勤控除をせずに原告らに給与を支払いました。  福島県は、欠勤から4か月後になって初めて原告らに対して欠勤分の給与が過払いであるとして返 […]

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Case131 職務発明に対する「相当な対価」の額をあらかじめ確定的に定めることはできないとした最高裁判例・オリンパス光学工業事件・最判平15.4.22労判846.5【百選10版30】

(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の研究開発部に所属しビデオディスク装置の研究開発に従事し、「ピックアップ装置」という特許法35条1項の職務発明に当たる本件発明をしました。 会社では、社内規則において、従業員の特許を […]

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Case116 賃金債権との相殺の合意は労働者の自由な意思に基づく必要があるとした最高裁判例・日新製鋼事件・最判平2.11.26労判584.6【百選10版32】

(事案の概要)  本件労働者は、退職した場合には退職金等から全額一括弁済するとの約定で、被告会社や銀行等から住宅資金の借入れをしていました。その後、本件労働者は、破産状態となったため、会社に対して、退職を申し入れるととも […]

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Case111 退職金を減額する労働協約の非組合員への一般的拘束力を否定した最高裁判例・朝日火災海上保険(髙田)事件・最判平8.3.26労判691.16【百選10版92】

(事案の概要)  A社には、鉄道保険部職員で組織されたA労働組合がありました。被告会社がA社の鉄道保険業務を引き継ぐことになり、原告労働者を含むA社鉄道保険部職員は、新たに被告会社と雇用契約を締結しました。被告会社にはB […]

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