Case315 銀行の元営業本部パーソナル・バンク長に対する懲戒解雇が無効とされた事案・スルガ銀行事件・東京地判令4.6.23労経速2503.3

(事案の概要)

 原告労働者は、銀行である被告会社において執行役員や営業本部パーソナル・バンク長を歴任していましたが、会社から、以下の理由により懲戒解雇されました。

①パーソナル・バンク長という強い立場から審査部門に強い圧力を加えて審査機能を形骸化させた

②副社長による案件の取扱禁止指示に反し、当該案件の取扱いを継続し、不適切融資を自ら積極的に推進・継続させた

③部下・営業店社員に対する管理監督義務を怠りパワハラ行為が日常化していたのを放置した

 本件は、原告が会社に対して、懲戒解雇の無効を主張して雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、①~③の解雇理由に当たる事実は認められないとして、懲戒解雇を無効としました。

 なお、原告は既に定年に達していたため、定年までの賃金請求のみ認容されました。

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