今日の労働裁判例
【労災】Case434 骨髄増殖性腫瘍の持病を持つ豚舎職員の人畜共通病原菌であるロドコッカス・エクイ菌の感染症について公務起因性を認めた事案・地公災基金熊本県支部長(農業研究センター)事件・熊本地判令5.1.27労判1290.5

(事案の概要)  公務災害を否定する認定処分に対する取消訴訟です。  本件労働者は、熊本県農林水産部農業研究センター畜産研究所中小家畜研究室(本件研究室)の養豚エリアで、豚の餌やり、餌箱内の豚の糞や豚房に溜まった糞をスコ […]

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【事業承継】Case433 労働者の排便障害に対する勤務配慮が労働条件として会社分割の承継会社に承継されるとした事案・阪神バス(勤務配慮・本訴)事件・神戸地尼崎支判平26.4.22・労判1096.44

(事案の概要)  バス運転手である原告労働者は、A社を休職して腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けましたが、腰椎由来の神経障害により排尿・排便が困難となる障害が残りました。原告の復職にあたり、原告とA社は、原告には午後の比較的 […]

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【不当解雇】Case432 難病の重症筋無力症と診断されたことを理由に正社員からパート社員に身分変更する処分が無効とされた事案・ケントク(仮処分)事件・大阪地決平21.5.15労判989.70

(事案の概要)  本件労働者は、正社員で、飲食店の店主代行として勤務していましたが、難病の重症筋無力症と診断されました。本件会社は、本件労働者に対して、正社員から契約期間1年のパートタイマー従業員に身分変更し、週2日、1 […]

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【労災、精神障害、管理監督者】Case431 部下を指揮監督していたとしても割増賃金の支給すら決定権限を有していないことから管理監督者性を否定した労災取消訴訟・国・広島中央労基署長(アイグランホールディングス)事件・東京地判令4.4.13労判1289.52

(事案の概要)  原告労働者が、労基署長が行った原告が管理監督者であることを前提とした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。  原告は、会社において、取締役会と管理本部の下にある管理本部経理部長の地位にあり、経理課と […]

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【不当解雇、休職】Case430 休職理由である適応障害とは異なるコミュニケーション能力等の問題を理由とした自然退職扱いを無効とした事案・シャープNECディスプレイソリューションズほか事件・横浜地判令3.12.23労判1289.62

(事案の概要)  原告労働者は、職場で度々涙を流すようになり、適応障害と診断され、被告会社から平成28年3月から平成29年7月まで休職を命じられました。  原告の主治医は、原告がASD(自閉症スペクトラム)だと考えました […]

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【セクハラ、損害賠償】Case429 男性従業員の女子トイレへの侵入事件について会社が適切な事後対応を怠ったとして女性従業員に対する慰謝料が認められた事案・仙台セクハラ(自動車販売会社)事件・仙台地判平13.3.26労判808.13

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告会社店舗の女子トイレ内の掃除用具置場内に、男性従業員Aが潜んでいたのを発見しました(本件侵入事件)。Aは、原告に対して、女子トイレの写真を撮影して雑誌に売るのぞき見目的でトイレ […]

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【役員の責任】Case428 2つの会社が実質的に同一であるとして法人格否認の法理を適用するとともに未払賃金について会社法429条の取締役の責任を認めた事案・エヌアイケイほか事件・大阪高判令5.1.19労判1289.10

(被告ら略称) Y1社 ㈱エヌアイケイ(平成30年3月設立) Y2社 コミュニケーションズネットワーク㈱(令和元年6月設立) Y3 乙山(Y1代表取締役、Y2取締役) Y4 丁原(Y1取締役、Y2取締役) Y5 丙川(Y […]

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【セクハラ、損害賠償】Case427 懇親会の二次会において行われた上司から部下に対するセクハラについて会社の使用者責任を認めた事案・大阪セクハラ(S運送会社)事件・大阪地判平10.12.21労判756.26

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、男性ドライバーとチームを組んで荷物や書類を集配するオフィスコミュニケーター(OC)として被告会社に勤務していました。原告は、上司にあたるドライバーである被告従業員(男性)が、ドライ […]

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【名誉毀損】Case426 雇止めを有効として労働者の本訴を棄却し、労働者の提訴記者会見及びインタビューでの発言は違法な名誉毀損に当たらないとして会社の反訴も棄却した事案・コード事件・京都地判令4.9.21労判1289.38

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社から受けた新型コロナウイルス感染症拡大に関連する本件雇止めが無効であると主張して、本件訴訟を提起しました。  原告は、本件訴訟を提起したことについてマスコミのインタビューに応じて自 […]

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【セクハラ、懲戒処分】Case425 女性従業員に対して繰り返しセクハラ発言等をした男性管理職に対する出勤停止処分等を有効とした最高裁判決・L館(海遊館)事件・最判平27.2.26労判1109.5

(事案の概要)  水族館を運営する被告会社で管理職として勤務していた原告労働者ら2名(男性)は、それぞれ女性従業員に対してセクハラ等をしたことを理由に出勤停止の懲戒処分及び降格処分を受けました。  本件は、原告らが会社に […]

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