Case307 国が石綿工場に局所排気装置の設置を義務づけなかったことが国賠法上違法であったとした最高裁判例・泉南アスベスト訴訟・最判平26.10.9民集68.8.799
(事案の概要) 本件は、大阪府泉南地域に存在した石綿工場の元従業員やその遺族である原告らが、国による石綿の粉じん規制が不十分であったため石綿工場での作業により石綿肺などの石綿関連疾患にり患したと主張して国家賠償を求めた […]
Case306 法律事務所を退職した弁護士に対する損害賠償請求が棄却され代表弁護士のパワハラを理由とする慰謝料請求の反訴が認容された事案・弁護士法人甲野法律事務所事件・横浜地川崎支判令3.4.27労判1280.57
(事案の概要) 1 本訴 原告法律事務所及びその代表である原告弁護士は、原告法律事務所を退職した被告弁護士に対して、被告が担当事件に関する引継ぎや報告等を一切行わずに一方的に退職したことにより信用を毀損されたとして、損 […]
Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5
(事案の概要) 懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。 原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]
Case304 派遣会社から契約更新が確定した旨のメールを受信したことから更新の合理的期待が認められ雇止めが無効とされた事案・グッドパートナーズ事件・東京地判令4.6.22労判1279.63
(事案の概要) 原告労働者は、人材派遣会社である被告会社と2か月間の有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、介護福祉士として有料老人ホーム(本件施設)に派遣されていました。 原告は、被告会社から、本件雇用契約が2か月間 […]
Case303 営業社員に貸与していたスマホの回収や監査室への配置転換が違法とされ固定残業代を含む年俸減額が無効とされるなどした事案・インテリムほか事件・東京高判令4.6.29労判1291.5
(事案の概要) 原告労働者は、営業として被告会社に雇用され、年俸960万円(月額職務給(基本給)55万円、住宅手当3万円、みなし手当(固定残業代)22万円)でした。 令和元年5月、原告の職務等級が降格され、年俸は86 […]
Case302 在宅勤務者に対する業務上の必要性のない出社命令が無効であるとされた事案・アイ・ディ・エイチ事件・東京地判令4.11.16労判1287.52
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と、デザイナーとして就業場所を「本社事務所」とする雇用契約を締結しましたが、初日のほかに、事務所に出社したのは一度だけで、入社から約10か月間ずっと在宅勤務をしていました。 会社 […]
Case301 トラックドライバーの業績手当及び運行手当が固定残業代に該当せず、無事故手当が除外賃金に含まれないとされた事案・住吉運輸事件・大阪地判令4.10.13
(事案の概要) トラックドライバーである原告労働者が、被告会社に対して残業代請求した事案です。 業績手当、運行手当、休日手当が残業代に該当するか、無事故手当が除外賃金に含まれるかが争点となりました。 (判決の要旨) […]
Case300 就業規則で定めていない店舗独自のシフトが使われていたことから1か月単位の変形労働時間制が無効とされた事案・日本マクドナルド事件・名古屋地判令4.10.26労経速2506.3
(事案の概要) 原告労働者が、被告会社に対して残業代請求等をした事案です。 1か月単位の変形労働時間制の効力が争点となりました。 被告の就業規則では、「各勤務シフトにおける各日の始業時刻、終業時刻及び休憩時間は、原 […]
Case299 生命保険募集人としての権限・地位を濫用して顧客に契約をさせた事実は認められないとして懲戒解雇が無効とされた事案・日本郵便事件・札幌地判令4.12.8労経速2511.3
(事案の概要) 原告労働者は、保険販売員として、被告会社がかんぽ生命から委託を受けていた保険募集業務を行っていました。 原告は、保険契約者の意向に沿わない保険商品を提案し、乗換契約に伴う不利益を契約者に告知せず、自ら […]
Case298 職員の時間外勤務の時間や業務負担の管理等について市の安全配慮義務違反が認められた事案・青森市事件・青森地判令4.9.27
(事案の概要) 原告労働者は、被告青森市の職員として、成人式の開催に関する事項と担当していたところ、執務中に気分が悪くなり、トイレにて激しく嘔吐した後に廊下で意識を失い病院に救急搬送されて入院しました(本件災害)。 […]