残業代
Case140 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるとした最高裁判例・大星ビル管理事件・最判平14.2.28労判822.5【百選10版36】
(事案の概要) 原告労働者らは、ビル管理会社である被告会社の従業員として、ビル設備の運転操作・監視および整備、ビル内巡回監視等の業務に従事していました。 原告らは、午前9時からの24時間勤務に就くことがあり、その際、 […]
Case117 賃金債権の放棄がされたというためには、労働者の自由な意思に基づくことが明確でなければならないとした最高裁判例・テックジャパン事件・最判平24.3.8労判1060.5
(事案の概要) ⑴ 社会保険への加入 原告労働者は、雇用契約締結時、被告会社から、手取りの金額を増やしたいのであれば、自分で国民健康保険や国民年金に加入する方法もある等の説明を受け、雇用保険には入りたいと答えました。会 […]
Case112 賃金減額の提案に対して「ああ分かりました」と応答しただけでは賃金減額の同意は認められないとした事案・ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件・札幌高判平24.10.19労判1064.37
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の経営する本件ホテルで料理人として働いていましたが、料理人の賃金は、個別契約でばらばらに定められていました。 会社は、賃金のばらつきを解消し、合理的な賃金体系に改めることとし、賃 […]
Case103 役員の専属運転手につき出庫・帰庫にかかる時間及び待機時間の労働時間該当性が認められた事案・ラッキーほか事件・東京地判令2.11.6労判1259.73
(事案の概要) 始業・終業の時刻や待機時間の労働時間該当性が争いになった残業代請求事件です。 原告労働者は、被告会社会長の専属運転手として、会長専用車両(本件車両)の運転業務に従事していました。 原告は、朝自宅近く […]
Case100 労基法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうとした最高裁判例・三菱重工長崎造船所事件・最判平12.3.9労判778.11【百選10版35】
(事案の概要) 被告会社では、始業は所定の作業時刻に作業場において実作業を開始し、作業服への更衣、安全衛生保護具等の装着は始業前に行うこととされ、終業は所定の終業時刻に実作業を終え、終業後に更衣等を行うものとされていま […]
Case57 元代表取締役につき未払残業代約1000万円相当の損害賠償責任を認めた事案・エイシントラスト元代表取締役事件・宇都宮地判令2.6.5労判1253.138
(事案の概要) 原告は、会社を退職後、会社を被告として残業代請求訴訟を提起し、被告の欠席判決により、会社に約1000万円の支払を命じる判決が確定しました。 しかし、判決確定後も会社が残業代を支払わないため、原告が会社 […]
Case25 着替え時間の残業代や天引きされた賠償金の返還等が認められた事案・アートコーポレーションほか事件・東京高判令3.3.24労判1250.76
(事案の概要) 引越作業員である原告らが、会社に対して、残業代の支払いや給与から天引きされた賠償金の返還等を求めた事案です。 原告らは、主に①着替え時間の残業代の支払い、②天引きされた引越事故責任賠償金の不当利得返還 […]
Case23 ホテル従業員の労働者性及び不活動時間の労働時間性が認められた事案・ブレイントレジャー事件・大阪地判令2.9.3労判1240.70
(事案の概要) 社会保険料の源泉徴収を嫌って労働契約から業務委託契約に切り替えて、従前と同様ラブホテルのフロント係の業務に従事していた原告が、会社に対して残業代請求をした事案です。 原告のシフトは3日に1回程度の24 […]