労働時間

今日の労働裁判例
Case217 緊急看護対応業務のために緊急呼出用の携帯電話を携帯していた時間が労働時間と認められた事案・アルデバラン事件・横浜地判令3.2.18労判1270.32

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の運営する看護ステーションで管理者・看護師として勤務し、月額給与は管理者手当8万円を含む40万円でした。   原告ら従業員は、当番制で、終業時間後から翌営業日の始業時間まで、緊急呼 […]

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Case211 タイムカードがある月の残業代からタイムカードがない月の残業代を推定し、自己負担した健康診断費用の不当利得返還請求を認めた事案・社会福祉法人セヴァ福祉会事件・京都地判令4.5.11労判1268.22

(事案の概要)  保育士である原告労働者による残業代請求等の事案です。  残業代請求について争点が多岐に渡り、休憩時間の有無、変形労働時間性の有効性、固定残業代の有効性、管理監督者性、タイムカードがない月の労働時間等が問 […]

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Case170 業務手当は固定残業代ではなく労働者は2時間の所定休憩時間のうち1時間しか休憩できていなかったとされた事案・ライフデザインほか事件・東京地判令2.11.6労判1263.84

(事案の概要)  原告労働者が被告会社に対して残業代請求した事案です。  原告に対しては、基本給16万円のほかに業務手当14万円が支払われており、この業務手当が固定残業代に該当するかが争点となりました。  また、所定休憩 […]

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Case169 戸締り報告書、警備記録、同僚の証言等から月100時間超の時間外労働を認定し自殺の業務起因性を認めた事案・ 国・出雲労基署長(ウシオ)事件・松江地判令3.5.31労判1263.62

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  本件労働者は、スーパーマーケットを経営する本件会社でバイヤーとして勤務していました。本件労働者は、長時間の時間外労働を行っていましたが、タイムカード、出勤簿、業務 […]

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Case166 コロナ禍でのホテル従業員に対する休業命令について事業を停止していたわけではなく休業手当の支払いを要するとした事案・ホテルステーショングループ事件・東京地判令3.11.29労判1263.5

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社が経営するラブホテルにおいて、客室清掃等を担当するルーム係として勤務していました。  原告は、ほぼ毎日所定労働時間の約1時間前に出勤し、タイムカードを打刻してからタオルを畳んで束ね […]

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Case162 完全予約制の美容院にて予約が入っていない時間に従業員が業務を行っていない時間が相当程度あるからといって労働から解放されていたとは言えないとした事案・ルーチェほか事件・東京地判令2.9.17労判1262.73

(事案の概要)  美容師である原告労働者は、被告会社の経営する美容院で働いていました。原告と会社との雇用契約は月給制であるものの所定労働時間や休憩時間は定められておらず、原告は店舗の営業時間に勤務していました。  原告は […]

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Case143 リハビリ勤務中は無給とする合意があったとしても労基法上の労働に当たる以上最低賃金を支払う必要があるとされた事案・NHK(名古屋放送局)事件・名古屋高判平30.6.26労判1189.51

(事案の概要)  NHKに勤務していた原告労働者は、精神疾患により休職したのち、休職期間満了により解職されました。  原告は、休職期間中にテスト出局(リハビリ勤務)を行いましたが、途中でテスト出局中止とされていました。N […]

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Case140 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるとした最高裁判例・大星ビル管理事件・最判平14.2.28労判822.5【百選10版36】

(事案の概要)  原告労働者らは、ビル管理会社である被告会社の従業員として、ビル設備の運転操作・監視および整備、ビル内巡回監視等の業務に従事していました。  原告らは、午前9時からの24時間勤務に就くことがあり、その際、 […]

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Case103 役員の専属運転手につき出庫・帰庫にかかる時間及び待機時間の労働時間該当性が認められた事案・ラッキーほか事件・東京地判令2.11.6労判1259.73

(事案の概要)  始業・終業の時刻や待機時間の労働時間該当性が争いになった残業代請求事件です。  原告労働者は、被告会社会長の専属運転手として、会長専用車両(本件車両)の運転業務に従事していました。  原告は、朝自宅近く […]

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Case100 労基法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうとした最高裁判例・三菱重工長崎造船所事件・最判平12.3.9労判778.11【百選10版35】

(事案の概要)  被告会社では、始業は所定の作業時刻に作業場において実作業を開始し、作業服への更衣、安全衛生保護具等の装着は始業前に行うこととされ、終業は所定の終業時刻に実作業を終え、終業後に更衣等を行うものとされていま […]

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