安全配慮義務
Case175 特別研修中の市立教員の自殺について市及び県の安全配慮義務違反が認められた事案・鹿児島県・U市(私立中学校教諭)事件・鹿児島地判平26.3.12労判1095.29
(事案の概要) 本件労働者は、音楽科の教員免許を持ち、被告市が設置する本件中学校において音楽科と家庭科の教員をしていました。本件労働者は、前任校にいた頃からメンタルクリニックに通院しており、本件中学校でもストレス反応との […]
Case174 過労自殺について会社の安全配慮義務違反を認め労働者の性格や態様等を理由とする過失相殺を否定した最高裁判例・電通事件・最判平12.3.24労判779.13【百選10版49】
(事案の概要) 本件労働者は、被告会社に新卒入社してから恒常的に長時間の残業を行い、帰宅しない日も多くなりました。 上司は、本件労働者に対して、帰宅してきちんと睡眠をとり、必要であれば翌朝早く出勤するよう指導しました […]
Case173 労働者が精神疾患を申告しなかったことを理由とする過失相殺を否定した最高裁判例・東芝(うつ病・解雇)事件・最判平26.3.24労判1094.22
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社において初めてプロジェクトのリーダーを任されてから長時間労働を余儀なくされていました。 原告は、労働時間が一定の時間を超えた従業員につき実施される時間外超過者健康診断を受診し、頭 […]
Case145 自殺未遂を起こした労働者を専門家の助言を得ずに職場復帰させた結果自殺に至ったとして会社の安全配慮義務違反を認めた事案・市川エフエム放送事件・東京高判平28.4.27労判1158.147
(事案の概要) 本件労働者は、職場の人間関係の悩み等からうつ状態となり欠勤し自殺未遂を起こしました。本件労働者と面談した医師は、被告会社の代表者に対して、本件労働者に臨床心理士の診察を受けさせることを強く勧め、臨床心理 […]
Case85 米国人上司のパワハラにつき国の損害賠償責任が認められた事案・国(在日米軍厚木航空施設・パワハラ)事件・東京地判令3.11.22労判1258.5
(事案の概要) 原告労働者は、国に雇用され米軍厚木航空施設内の軍人および家族支援センター(FFSC)で勤務していました。 原告は、米国人上司から「あなたはうそつきだ。」「あなたの全てが気に入らない。」「あなたをクビに […]
Case84 使用者の職場環境配慮義務違反を認めた事案・福岡セクシュアル・ハラスメント事件・福岡地判平4.4.16労判607.6【百選10版17】
(事案の概要) 被告会社の編集長である被告上司は、部下である原告労働者(女性)について、社内外の関係者に対して、原告の異性関係が派手である、男性同僚と職場関係以上の関係にあるなどと原告の評判を落とすような発言をしたり、 […]
Case71 上司のセクハラ・パワハラについて、会社の使用者責任及び事後対応についての安全配慮義務違反が認められた事案・人材派遣業A社ほか事件・札幌地判令3.6.23労判1256.22
(事案の概要) 被告会社の支店長である原告(女性)の直属の上司であった被告専務取締役(男性)は、営業社員の研修後の飲み会の二次会で、原告に対して「ホテルに遊びに行っていいか」「抱いちゃおうかな」などと発言し、二次会終了 […]
Case67 溶接作業員の石綿ばく露につき使用者の安全配慮義務違反が認められた事案・日立パワーソリューションズ事件・横浜地横須賀支判令3.8.30労判1255.39
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社に入社した昭和36年9月から少なくとも昭和54年12月頃まで、電気溶接作業の際に狭い場所に入り込んで作業することがあり、部品の予熱や保温のために保温材として布状の石綿(アスベスト) […]
Case6 製麺機の巻き込み事故につき会社の安全配慮義務違反を認めた事案・製麵会社A事件・旭川地判令2.8.31労判1247.71
(事案の概要) 本件は、原告が、製麺業務中に製麺機に左手を巻き込まれる事故により骨折等の傷害を負ったことにつき、会社に損害賠償請求した事案です。製麺機は、麵を切り出すために上下する刃が常時露出しており、原告は、上下する刃 […]