Case47 降格に基づく賃金減額が無効とされた事案・CFJ合同会社事件・大阪地判平25.2.1労判1080.87
(事案の概要) 労働者が、降格及びこれに伴う賃金減額が人事権の濫用に当たり無効であるとして、主任職の地位確認及び降格前後の差額賃金を請求した事案です。 被告は、原告を主任職から一般職に降格し、基本給及び役職手当を減額 […]
Case46 職務給制度に基づく職務グレードの降格を無効とした事案・Chubb損害保険事件・東京地判平29.5.31労判1166.42
(事案の概要) 原告が、2回の降格減給処分がいずれも無効であるとして、降格前後の差額賃金等を求めた事案です。 被告は、責任の大きさと業績により従業員の給与が決定される職務給制度(基本給は職務グレードに応じた給与レンジ […]
Case45 使用者に一方的な評価決定権限がないとして年俸減額を無効とした事案・日本システム開発研究所事件・東京高判平20.4.9労判959.6【百選10版33】
(事案の概要) 年俸制の研究職員の賃金減額事案です。被告では、年俸額について、就業規則に定めはないものの、個人業績評価と非年俸者の改定基準表を参考に役員が目安額を提示したうえで、役員2名と当人の個別交渉を経て、年間支給 […]
一方的な賃金減額のパターン
目次 0 はじめに 会社から一方的に賃金減額されたけど、これって無効じゃないの? 一言に賃金減額といっても、その根拠によって有効性の要件が異なります。 この記事では、賃金減額のパターン別の有効要件について簡単に解説 […]
Case44 部下15名の労務管理を行うマネージャーの管理監督者性が否定された事案・国・川崎北労基署長(MCOR)事件・東京地判令1.11.7労判1252.83
(事案の概要) 労災保険給付の給付基礎日額を変更する処分に対する取消訴訟です。 過労自殺した被災者の妻である原告は、遺族補償年金給付等の支給決定を受けましたが、給付基礎日額に未払の割増賃金が含まれていませんでした。原 […]
Case43 学生に対する発言等を理由とする懲戒解雇及び懲戒降格処分が無効とされた事案・学校法人國士館ほか事件・東京地判令2.10.15労判1252.56
(事案の概要) 原告A 大学教授である原告Aは、卒論研修に参加した学生28名に対して、急逝したK教授について「学長に殺されたと思っています。」などと発言したことなどを理由に被告法人から懲戒解雇(予備的に普通解雇の主張。 […]
Case42 業務上の傷病を対象とする休職期間を業務外の傷病で休職中の労働者に適用することはできないとされた事案・丙川商店事件・京都地判令3.8.6労判1252.33
(事案の概要) 原告ら2名は、それぞれ職場の人間関係のトラブルや退職勧奨の後に適応障害で休職していましたが、その後復職の申し出をしても会社がこれを拒否したため、雇用契約上の地位の確認及び復職申出後の賃金の支払を求めて提 […]
Case41 石綿被害につき一人親方の保護を認めた最高裁判例・建設アスベスト訴訟(神奈川)事件・最判令3.5.17労判1252.5
(事案の概要) 石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安 […]
Case40 嘱託職員に家族手当及び住宅手当を支給しないことが不合理な格差に当たるとした事案・科学飼料研究所事件・神戸地姫路支判令3.3.22労判1242.5
(事案の概要) 本件は、有期雇用の嘱託職員ら(定年後再雇用も含む)及び無期雇用の年俸社員らが、会社に対して、年俸社員以外の無期雇用社員との間で、賞与、家族手当、住宅手当および昼食手当に相違があることが、労契法旧20条( […]
就業規則・労働協約・労使協定の関係は?
目次 1 はじめに 労働者と使用者が労働契約を締結する際、雇用契約書を締結しますが、細かい契約内容を全て雇用契約書に記載することはせず、従業員一般に適用される契約内容については使用者が作成する就業規則に定められているこ […]