今日の労働裁判例
Case69 英国法人に日本の労働契約法19条(雇止め規制)の適用が認められた事案・BGCキャピタルマーケッツジャパンLLCほか事件・東京地判平28.9.26【百選10版6】
(事案の概要) 本件は、英国法人である被告法人から雇止めされた日本人である原告労働者が、日本の労働契約法19条の適用を主張し、雇止めの効力を争った事案です。 原告と被告法人の契約では、英国法を準拠法とすることが定めら […]
Case68 派遣先が労組法上の使用者に当たるとした最高裁判例・朝日放送事件・最判平7.2.28労判668.11【百選10版4】
(事案の概要) テレビ局を運営する原告会社の請負先から原告会社に派遣されている労働者が加入する労働組合(本件組合)が、賃上げ等を求め原告会社に団体交渉を求めましたが、原告会社は使用者でないことを理由に団体交渉を拒否しま […]
Case67 溶接作業員の石綿ばく露につき使用者の安全配慮義務違反が認められた事案・日立パワーソリューションズ事件・横浜地横須賀支判令3.8.30労判1255.39
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社に入社した昭和36年9月から少なくとも昭和54年12月頃まで、電気溶接作業の際に狭い場所に入り込んで作業することがあり、部品の予熱や保温のために保温材として布状の石綿(アスベスト) […]
Case66 業務委託契約のカスタマーエンジニアについて労組法上の労働者性を認めた最高裁判例・INAXメンテナンス事件・最判平23.4.12労判1026.27【百選10版3】
(事案の概要) 原告会社は、業務委託契約を締結しているカスタマーエンジニアAが加入した労働組合から団体交渉の申入れを受けましたが、Aが労働組合法上の労働者ではないとしてこれを拒否しました。 労働組合は、原告会社の団交 […]
Case65 法人格否認の法理によりグループ会社及びグループ支配者の責任を認めた事案・黒川建設事件・東京地判平13.7.25労判813.15【百選10版2】
(事案の概要) 原告労働者らは、被告会社のグループ会社であるA社を退職しましたが、賃金の一部が未払で、退職金も支払われていませんでした。 被告会社の代表取締役である被告代表者は、グループの社主を称し、グループ各社を被 […]
Case64 労災保険法上の労働者は労基法上の労働者と同一であるとした最高裁判例・横浜南労基署長(旭紙業)事件・最判平8.11.28労判714.14【百選10版1】
(事案の概要) 原告は、契約書を作成せずに、自己の所有するトラックを会社の工場に持ち込み、会社の製品の運送業務に従事してきました。原告は、会社の倉庫内での積み込み作業中に転倒し負傷したことから、労基署に労災申請しました […]
Case63 就業規則の周知性を否定し懲戒解雇を無効とした事案・河口湖チーズケーキガーデン事件・甲府地判平29.3.14
(事案の概要) 菓子店の店長として小口現金の管理等をしていた原告は、架空の領収書を作成し小口現金を着服したこと、他の従業員にタイムカードを打刻させる等の方法で勤務していない時間について不正に賃金の支給を受ける等したこと […]
Case62 自由な意思論に基づき妊娠中の退職合意の存在を否定した事案・TRUST事件・東京地立川支判平29.1.31労判1156.11
(事案の概要) 建築測量や墨出し工事等に従事していた女性労働者である原告の妊娠が判明し、現場作業が難しくなったことから、被告会社の代表者は、原告に対して代替手段として、被告代表者が経営する派遣会社への派遣登録を提案しま […]
Case61 遅刻を理由とする出勤停止処分が無効とされた事案・不二タクシー事件・東京地判令3.3.26労判1254.75
(事案の概要) タクシー運転手である原告労働者は、13回にわたって遅刻をしたとして、出勤停止14日の懲戒処分を受けました。本件は、原告が、本件懲戒処分の無効の確認及び、出勤停止期間の賃金等の支払を求めた事案です。 ま […]
Case60 施設閉鎖に伴う整理解雇を無効とした事案・ネオユニットほか事件・札幌高判令3.4.28労判1254.28
(事案の概要) 被告会社は、指定就労継続支援A型事業所として運営していた就労継続支援施設(本件施設)を閉鎖し事業を終了することとし、本件施設のスタッフ及び利用者(知的障害または精神障害を有し、本件会社と労働契約を締結し […]