損害賠償

今日の労働裁判例
Case82 労務管理目的で労働者の診療情報を共有したことがプライバシー侵害に当たるとした事案・社会医療法人天神会事件・福岡高判平27.1.29労判1112.5【百選10版15】

(事案の概要)  被告法人で看護師をしていた原告労働者は、被告法人が運営する本件病院の紹介により受診した大学病院でHIV陽性と診断されました。大学病院から原告の診断情報(本件情報)を得た本件病院の医師は、本件情報を副院長 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case81 長時間労働とパワハラによる自殺につき加害者である上司、会社及び代表取締役の責任が認められた事案・サン・チャレンジほか事件・東京地判平26.11.4労判1109.34【百選10版14】

(事案の概要)  労働者のAさんは、ステーキ店の店長として、恒常的に1日12時間30分以上の長時間労働をしており、休日は数カ月に1度しかないこともありました。  被告エリアマネージャーは、Aさんが仕事上のミスをすると「馬 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case80 会社による監視・孤立化政策が労働者の人格的利益を侵害し不法行為に当たるとした最高裁判例・関西電力事件・最判平7.9.5労判680.28【百選10版13】

(事案の概要)  原告ら労働者は、いずれも労働組合の組合員で、共産党員ないしその同調者でした。被告会社は、「特殊対策」の名称のもと、原告ら左派グループを「不健全分子」として監視、退社後の尾行、警察署への情報提供の依頼、原 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case76 採用内定の性質につき始期付き解約権留保付き労働契約とした最高裁判例・大日本印刷事件・最判昭54.7.20労判323.19【百選10版9】

(事案の概要)  被告会社は、大学生であった原告に対して、採用内定通知書を送付し、原告に自己都合による内定辞退をしないこと及び内定取り消し事由が記載された誓約書を提出させました。しかしその後、会社は原告に対して、原告が「 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case74 人事権による降格及びこれに基づく役付手当の減額が無効とされた事案・広島精研工業事件・広島高判令4.3.29

(事案の概要)  被告会社は、心筋梗塞で倒れて休職中の原告労働者を、能力不足等を理由として課長から平社員に降格しました(本件降格)。これにより、原告に役付手当6万円が支給されなくなりました。なお、会社における職位は、部長 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case72 労働条件明示義務違反による慰謝料請求が認められた事案・日新火災海上保険事件・東京高判平12.4.19労判787.35【百選10版7】

(事案の概要)  被告会社は、計画的な中途採用を運用基準に基づき実施することとし、「第二新卒としてやり直してみたい方。……ハンディはなし。……89年卒の方なら、89年に当社に入社した社員の現時点での給与と同等の額をお約束 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case71 上司のセクハラ・パワハラについて、会社の使用者責任及び事後対応についての安全配慮義務違反が認められた事案・人材派遣業A社ほか事件・札幌地判令3.6.23労判1256.22

(事案の概要)  被告会社の支店長である原告(女性)の直属の上司であった被告専務取締役(男性)は、営業社員の研修後の飲み会の二次会で、原告に対して「ホテルに遊びに行っていいか」「抱いちゃおうかな」などと発言し、二次会終了 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case67 溶接作業員の石綿ばく露につき使用者の安全配慮義務違反が認められた事案・日立パワーソリューションズ事件・横浜地横須賀支判令3.8.30労判1255.39

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社に入社した昭和36年9月から少なくとも昭和54年12月頃まで、電気溶接作業の際に狭い場所に入り込んで作業することがあり、部品の予熱や保温のために保温材として布状の石綿(アスベスト) […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case62 自由な意思論に基づき妊娠中の退職合意の存在を否定した事案・TRUST事件・東京地立川支判平29.1.31労判1156.11

(事案の概要)  建築測量や墨出し工事等に従事していた女性労働者である原告の妊娠が判明し、現場作業が難しくなったことから、被告会社の代表者は、原告に対して代替手段として、被告代表者が経営する派遣会社への派遣登録を提案しま […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case60 施設閉鎖に伴う整理解雇を無効とした事案・ネオユニットほか事件・札幌高判令3.4.28労判1254.28

(事案の概要)  被告会社は、指定就労継続支援A型事業所として運営していた就労継続支援施設(本件施設)を閉鎖し事業を終了することとし、本件施設のスタッフ及び利用者(知的障害または精神障害を有し、本件会社と労働契約を締結し […]

続きを読む