降格減給
Case89 就業規則作成・変更の合理性の判断基準を示した最高裁判例・第四銀行事件・最判平9.2.28労判710.12【百選10版22】
(事案の概要) 被告会社では、定年の55歳以降も、定年後在職制度により同様の労働条件で58歳までの在職を認めていました。 会社は、定年を60歳に延長するにあたり、労働組合と締結した労働協約を踏まえて、55歳以降の賃金 […]
Case86 妊娠労働者の軽易業務への転換に伴う降格措置を無効とした最高裁判例・広島中央保健生協(C生協病院)事件・最判平26.10.23労判1100.5【百選10版18】
(事案の概要) 被告生協が運営する病院や訪問介護施設で、副主任としてリハビリ業務の取りまとめ等に従事していた原告労働者(女性)は、妊娠したため、労基法65条3項(妊娠中の軽易な業務への転換)に基づき、当時従事していた訪 […]
Case74 人事権による降格及びこれに基づく役付手当の減額が無効とされた事案・広島精研工業事件・広島高判令4.3.29
(事案の概要) 被告会社は、心筋梗塞で倒れて休職中の原告労働者を、能力不足等を理由として課長から平社員に降格しました(本件降格)。これにより、原告に役付手当6万円が支給されなくなりました。なお、会社における職位は、部長 […]
Case49 育休明けの役割グレードの引下げ及び役割報酬の減額を無効とした事案・コナミデジタルエンタテインメント事件・東京高判平23.12.27労判1042.15
(事案の概要) 原告は、育児休業後に復職したところ、担当職務の変更、これに伴う役割グレードの引き下げ、これに伴う報酬グレードの引下げによる役割報酬の減額(550万円→500万円)を受け、成果報酬をゼロと査定されたことに […]
Case47 降格に基づく賃金減額が無効とされた事案・CFJ合同会社事件・大阪地判平25.2.1労判1080.87
(事案の概要) 労働者が、降格及びこれに伴う賃金減額が人事権の濫用に当たり無効であるとして、主任職の地位確認及び降格前後の差額賃金を請求した事案です。 被告は、原告を主任職から一般職に降格し、基本給及び役職手当を減額 […]
Case46 職務給制度に基づく職務グレードの降格を無効とした事案・Chubb損害保険事件・東京地判平29.5.31労判1166.42
(事案の概要) 原告が、2回の降格減給処分がいずれも無効であるとして、降格前後の差額賃金等を求めた事案です。 被告は、責任の大きさと業績により従業員の給与が決定される職務給制度(基本給は職務グレードに応じた給与レンジ […]
Case45 使用者に一方的な評価決定権限がないとして年俸減額を無効とした事案・日本システム開発研究所事件・東京高判平20.4.9労判959.6【百選10版33】
(事案の概要) 年俸制の研究職員の賃金減額事案です。被告では、年俸額について、就業規則に定めはないものの、個人業績評価と非年俸者の改定基準表を参考に役員が目安額を提示したうえで、役員2名と当人の個別交渉を経て、年間支給 […]
一方的な賃金減額のパターン
0 はじめに 会社から一方的に賃金減額されたけど、これって無効じゃないの? 一言に賃金減額といっても、その根拠によって有効性の要件が異なります。 この記事では、賃金減額のパターン別の有効要件について簡単に解説します […]
Case10 給与規程の不利益変更が無効とされた事案・学校法人梅光学院(給与減額等)事件・山口地下関支判令3.2.2労判1249.5
(事案の概要) 大学教員として勤務していた原告らが、給与規程及び退職金規程の変更が、労働契約法10条に違反する不利益変更であるとして、変更の有効性を争った事案です。 給与規程の変更により、業績を評価した職能等級が加え […]
Case7 無連絡欠勤を理由とする降格処分及び休職命令が違法とされた事案・東菱薬品工業事件・東京地判令2.3.25労判1247.76
(事案の概要) 原告は、業務外の事由により長期欠勤していました。会社は、出社の意向を示した原告に対して、正式な休職手続を経ていないものの、復職の手続を準用して診断書の提出を明じました。原告が提出した診断書には、軽作業であ […]