今日の労働裁判例一覧

番号事件名裁判所種類日付雑誌分野タグ
地方審級
事案の概要・リンク備考
Case1千鳥ほか事件広島R3.3.26労判1248.5残業代損害賠償外国人     
技能実習生に対する業務命令が違法とされた事案確定
Case2三井住友トラスト・アセットマネジメント事件東京R4.3.2 残業代労働時間管理監督者     
スタッフ職の管理監督者性が否定された事案一審・東京地判令3.2.17労判1248.42
Case3旭川公証人合同役場事件札幌R3.11.19 損害賠償セクハラ      
メッセージ送信行為及び手に触れたことがセクハラに当たると認められた事案一審・旭川地判令3.3.20労判1248.62
Case4国(口外禁止条項)事件長崎R2.12.1労判1240.35労働審判       
口外禁止条項を付した労働審判の違法性が認められた事案 結論は棄却・確定
Case5学校法人目白学園事件東京R2.7.16労判1248.82懲戒処分訴えの利益      
個人情報漏洩を理由とする出勤停止処分が無効とされた事案控訴
Case6製麺会社A事件旭川R2.8.31労判1247.71労災損害賠償安全配慮義務     
製麺機の巻き込み事故につき会社の安全配慮義務違反を認めた事案控訴後和解
Case7東菱薬品工業事件東京R2.3.25労判1247.76懲戒処分降格減給損害賠償休職    
無連絡欠勤を理由とする降格処分及び休職命令が違法とされた事案控訴
Case8インテリジェントヘルスケア(仮処分)事件大阪R3.2.12労判1246.53仮処分解雇配置転換     
配転命令及びこれに応じないことを理由とした解雇が無効とされた事案 
Case9KAZ事件大阪R2.11.27労判1248.76残業代固定残業代      
調整手当が固定残業代に当たらないとされた事案控訴
Case10学校法人梅光学院(給与減額等)事件山口/下関R3.2.2労判1249.5不利益変更降格減給就業規則退職金    
給与規程の不利益変更が無効とされた事案確定
Case11国・大阪中央労基署長(リーヴスホーム)事件大阪R3.3.15労判1249.35労災労働時間取消訴訟     
タイムカード上の労働時間を否定した労災不支給決定が取り消された事案確定
Case12シルバーハート事件東京R2.11.25労判1245.27シフト制民法536条2項賃金控除     
シフト決定権限の濫用を認め平均賃金の支払を認めた事案控訴
Case13首都圏青年ユニオン執行委員長ほか事件東京R2.11.13労判1246.64労働組合名誉毀損損害賠償使用者からの請求    
組合員の言動を理由とする損害賠償請求が否定された事案確定
Case14学校法人明浄学院事件大阪R2.3.26労判1246.91解雇整理解雇      
高校教員の整理解雇が無効とされた事案確定
Case15東神金商事件大阪R2.10.29労判1245.41不利益変更退職金自由な意思就業規則    
退職金制度廃止に対する自由な意思に基づく同意を否定し不利益変更を無効とした事案控訴
Case16タカゾノテクノロジー事件大阪R2.7.9労判1245.50休職       
休職命令及び休職期間満了による退職を無効とした事案控訴
Case17安藤運輸事件名古屋R3.1.20労判1240.5配置転換       
運行管理から倉庫業務への配転命令を無効とした事案確定
Case18JTB事件東京R3.4.13労経速2457.14懲戒処分民法536条2項      
懲戒審査中の出勤停止期間につき賃金請求を認めた事案 
Case19社会福祉法人ファミーユ高知事件高松R4.5.25 解雇懲戒解雇賞与懲戒処分    
第三者委員会が認定したパワハラを理由とする懲戒解雇を無効とし賞与請求も認めた事案一審・高知地判令3.5.21労経速2459.26
Case20国・和歌山労働基準監督署長事件和歌山R3.4.23労経速2458.3労災取消訴訟      
幼稚園教諭のいじめ、嫌がらせを理由とする精神障害発症が労災と認められた事案 
Case21学校法人国際医療福祉大学(仮処分)事件宇都宮R2.12.10労判1240.23配置転換職種限定自由な意思仮処分    
黙示の職種限定合意を認め配置命令を無効とした事案 
Case22国・札幌東労基署長(カレスサッポロ)事件札幌地R2.10.14労判1240.47労災取消訴訟      
きつ音症状のある労働者の自殺が労災と認められた事案確定
Case23ブレイントレジャー事件大阪R2.9.3労判1240.70残業代労働者性固定残業代変形労働時間制労働時間   
ホテル従業員の労働者性及び不活動時間の労働時間性が認められた事案控訴
Case24医療法人社団弘恵会(配転)事件札幌R3.7.16労判1250.40配置転換損害賠償民法536条2項     
退職に追い込む目的の配置転換が無効とされた事案控訴後取下げ
Case25アートコーポレーションほか事件東京R3.3.24労判1250.76残業代労働時間賃金控除非正規格差    
着替え時間の残業代や天引きされた賠償金の返還等が認められた事案上告
Case26グリーントラストうつのみや事件宇都宮R2.6.10労判1240.83無期転換雇止め整理解雇     
無期転換逃れの雇止めを無効とし無期転換を認めた事案控訴
Case27ソニー生命保険ほか事件東京R3.3.23労判1244.15損害賠償       
同僚による名誉棄損行為等を理由とする損害賠償請求が認められた事案確定
Case28森山(仮処分)事件福岡R3.3.9労判1244.31解雇整理解雇仮処分新型コロナ    
コロナによる業務縮小を理由とするバス運転手の整理解雇が無効とされた事案 
Case29国・陸上自衛隊第11旅団長(懲戒免職等)事件札幌R2.11.16労判1244.73公務員懲戒処分自衛隊損害賠償    
自衛隊員に対する懲戒免職処分を無効とし処分の公表を違法とした事案確定
Case30山崎工業事件静岡・沼津R2.2.25労判1244.94労災損害賠償安全配慮義務     
工場内での落下事故につき会社の安全配慮義務違反を認めた事案控訴後和解
Case31長崎県ほか(非常勤職員)事件長崎R3.8.25労判1251.5損害賠償公務員国賠パワハラ    
部下がメモをとることを制限したこと等がパワハラと認められた事案確定
Case32国(在日米軍基地従業員・出勤停止)事件那覇R3.7.7労判1251.24懲戒処分       
米軍基地の労働者に対する制裁措置を無効とした事案確定
Case33国・一宮労基署長(ティーエヌ製作所)事件名古屋R3.4.28労判1251.46労災取消訴訟      
労災事故の約2年後に発症した精神障害も労災と認められた事案確定
Case34株式会社まつりほか事件東京R4.3.10判時2543.75労災過労死損害賠償     
料理長の過労死につき会社と代表取締役の責任が認められた事案一審・東京地判令3.4.28労判1251.74
Case35サンフィールド事件大阪R2.9.4労判1251.89労働者性       
業務委託とされていた者の労働者性が認められた事案   確定
Case36巴機械サービス事件東京R4.3.9労判1275.92男女差別損害賠償      
女性社員に総合職転換の機械を与えないことが均等法違反とされた事案確定
Case37国・福岡中央労基署長(新日本グラウト工業)事件福岡R3.3.12労判1243.27労災過労死取消訴訟     
アルコール依存症等の既往歴がある労働者の自殺が労災と認められた事案確定
Case38国・三田労基署長(日本電気)事件東京R2.10.21労判1243.64労災取消訴訟      
精神障害の増悪について「特別な出来事」が必要とする労災認定基準に縛られないとした事案確定
Case39学校法人日通学園(大学准教授)事件東京R3.2.24 配置転換休職職種限定     
准教授から事務職員への職種変更命令を無効とした事案一審・千葉地判令2.3.25労判1243.101
Case40科学飼料研究所事件神戸・姫路R3.3.22労判1242.5非正規格差       
嘱託職員に家族手当及び住宅手当を支給しないことが不合理な格差に当たるとした事案控訴
Case41建設アスベスト訴訟(神奈川)事件 R3.5.17労判1252.5アスベスト労災国賠損害賠償    
石綿被害につき一人親方の保護を認めた最高裁判例 
Case42丙川商店事件京都R3.8.6労判1252.33休職解雇      
業務上の傷病を対象とする休職期間を業務外の傷病で休職中の労働者に適用することはできないとされた事案控訴
Case43学校法人國士館ほか事件東京R2.10.15労判1252.56懲戒処分懲戒解雇解雇損害賠償就労請求権   
学生に対する発言等を理由とする懲戒解雇及び懲戒降格処分が無効とされた事案控訴
Case44国・川崎北労基署長(MCOR)事件東京R1.11.7労判1252.83労災取消訴訟管理監督者     
部下15名の労務管理を行うマネージャーの管理監督者性が否定された事案確定
Case45日本システム開発研究所事件東京H20.4.9労判959.6降格減給年俸制      
使用者に一方的な評価決定権限がないとして年俸減額を無効とした事案上告
Case46Chubb損害保険事件東京H29.5.31労判1166.42降格減給自由な意思      
職務給制度に基づく職務グレードの降格を無効とした事案確定
Case47CFJ合同会社事件大坂H25.2.1労判1080.87降格減給       
降格に基づく賃金減額が無効とされた事案控訴
Case48山梨県民信用組合事件 H28.2.19労判1136.6不利益変更労働協約自由な意思退職金    
自由な意思論により退職金規程の不利益変更に対する同意を無効とした最高裁判例確定
Case49コナミデジタルエンタテインメント事件東京H23.12.27労判1042.15マタハラ降格減給損害賠償     
育休明けの役割グレードの引下げ及び役割報酬の減額を無効とした事案確定
Case50長崎自動車事件福岡R2.11.19労判1238.5懲戒処分損害賠償配置転換     
組合員らの言動を理由とした出勤停止処分及び転勤命令が無効とされた事案確定
Case51みずほビジネスパートナー事件東京R2.9.16労判1238.56解雇       
27項目の業務ミス及び1項目のセクハラ行為が認定されたものの解雇は無効とされた事案告訴
Case52国・中労委(学校法人神奈川歯科大学)事件東京R2.6.26労判1237.53不当労働行為休職取消訴訟     
組合員に対する復職拒否及び団体交渉での不誠実な対応が不当労働行為に当たるとされた事案確定
Case53国・中労委(長澤運輸・団交)事件東京R3.1.28労判1241.35不当労働行為取消訴訟      
団体交渉に所長及び代理人弁護士のみを出席させ資料を開示しなかったことが不誠実団交に当たるとされた事案上告不受理により確定
Case54東リ事件大坂R3.11.4労判1253.60偽装請負派遣      
偽装請負による派遣法40条の6の直接雇用を認めた裁判例上告棄却により確定
Case55ホームケア事件横浜R2.3.26労判1236.91シフト制民法536条2項      
シフト労働者について勤務実態から所定労働日数の合意を週4日間と認定した事案確定
Case56日和住設ほか事件札幌R3.6.25労判1253.93過労死労災損害賠償     
過労自殺につき会社と社長の不法行為責任が認められた事案控訴後和解
Case57エイシントラスト元代表取締役事件宇都宮R2.6.5労判1253.138役員の責任損害賠償残業代     
元代表取締役につき未払残業代約1000万円相当の損害賠償責任を認めた事案控訴後和解
Case58レジェンド元従業員事件福岡R2.11.11労判1241.70使用者からの請求競業避止義務      
退職後の競業避止義務を定める合意を一部無効とした事案上告
Case59国・人事院(経産省職員)事件 R5.7.11 取消訴訟LGBT公務員損害賠償    
具体的事情の下でトランスジェンダーの職員に対する女性トイレの使用制限を違法とした最高裁判例控訴審判決・東京高判令3.5.27労判1254.5
Case60ネオユニットほか事件札幌R3.4.28労判1254.28解雇整理解雇損害賠償障害者    
施設閉鎖に伴う整理解雇を無効とした事案上告棄却により確定
Case61不二タクシー事件東京R3.3.26労判1254.75懲戒処分有給休暇      
遅刻を理由とする出勤停止処分が無効とされた事案控訴
Case62TRUST事件東京・立川H29.1.31労判1156.11マタハラ自由な意思退職の意思表示損害賠償    
自由な意思論に基づき妊娠中の退職合意の存在を否定した事案控訴
Case63河口湖チーズケーキガーデン事件甲府H29.3.14 就業規則解雇懲戒解雇     
就業規則の周知性を否定し懲戒解雇を無効とした事案 
Case64横浜南労基署長(旭紙業)事件 H8.11.28労判714.14百選労災取消訴訟労働者性    
労災保険法上の労働者は労基法上の労働者と同一であるとした最高裁判例 
Case65黒川建設事件東京H13.7.25労判813.15百選退職金法人格否認     
法人格否認の法理によりグループ会社及びグループ支配者の責任を認めた事案控訴
Case66INAXメンテナンス事件 H23.4.12労判1026.27労働者性不当労働行為百選取消訴訟    
業務委託契約のカスタマーエンジニアについて労組法上の労働者性を認めた最高裁判例 
Case67日立パワーソリューションズ事件横浜・横須賀R3.8.30労判1255.39アスベスト労災損害賠償安全配慮義務    
溶接作業員の石綿ばく露につき使用者の安全配慮義務違反が認められた事案確定
Case68朝日放送事件 H7.2.28労判668.11百選不当労働行為取消訴訟労働者性派遣   
派遣先が労組法上の使用者に当たるとした最高裁判例 
Case69BGCキャピタルマーケッツジャパンLLCほか事件東京H28.9.26 百選準拠法雇止め     
英国法人に日本の労働契約法19条(雇止め規制)の適用が認められた事案 
Case70全農林警職法事件 S48.4.25刑集27.4.547公務員労働組合百選刑事    
公務員の争議行為を禁止する国家公務員法が憲法28条に違反しないとした最高裁判例 
Case71人材派遣業A社ほか事件札幌R3.6.23労判1256.22セクハラパワハラ安全配慮義務損害賠償民法536条2項   
上司のセクハラ・パワハラについて、会社の使用者責任及び事後対応についての安全配慮義務違反が認められた事案控訴後取下げ
Case72日新火災海上保険事件東京H12.4.19労判787.35損害賠償百選求人     
労働条件明示義務違反による慰謝料請求が認められた事案上告
Case73大阪府・府労委(大阪市・市労組)事件大坂R4.2.4労経速2484.7不当労働行為取消訴訟      
大阪市の対応が団交拒否及び支配介入の不当労働行為に該当するとされた事案 
Case74広島精研工業事件広島R4.3.29 損害賠償降格減給訴えの利益     
人事権による降格及びこれに基づく役付手当の減額が無効とされた事案上告棄却により確定・一審広島地判令3.8.30労判1256.5
Case75三菱樹脂事件 S48.12.12労判189.16百選解雇試用期間     
試用期間及び本採用拒否の性質を示した最高裁判例差戻審で和解
Case76大日本印刷事件 S54.7.20労判323.19百選内定取消し損害賠償     
採用内定の性質につき始期付き解約権留保付き労働契約とした最高裁判例 
Case77神戸弘陵学園事件 H2.6.5労判564.7百選試用期間解雇雇止め    
労働者の適性を判断するための期間は特段の事情のない限り試用期間であるとした最高裁判例 
Case78社会福祉法人希望の丘事件広島R3.11.30労判1257.5昇給請求権       
就業規則のキャリアパス要件に基づく昇級請求権を認めた事案確定
Case79ノキアソリューションズ&ネットワークス事件東京H31.2.27労判1257.60解雇       
2度のPIPを経て行われた能力不足解雇が無効とされた事案確定
Case80関西電力事件 H7.9.5労判680.28百選損害賠償      
会社による監視・孤立化政策が労働者の人格的利益を侵害し不法行為に当たるとした最高裁判例 
Case81サン・チャレンジほか事件東京H26.11.4労判1109.34百選パワハラ損害賠償過労死労災   
長時間労働とパワハラによる自殺につき加害者である上司、会社及び代表取締役の責任が認められた事案確定
Case82社会医療法人天神会事件福岡H27.1.29労判1112.5損害賠償百選      
労務管理目的で労働者の診療情報を共有したことがプライバシー侵害に当たるとした事案上告不受理により確定
Case83兼松(男女差別)事件東京H20.1.31労判959.85男女差別百選損害賠償     
改正均等法施行前の男女差別を違法とした事案上告棄却により確定
Case84福岡セクシュアル・ハラスメント事件福岡H4.4.16労判607.6損害賠償安全配慮義務百選セクハラ    
使用者の職場環境配慮義務違反を認めた事案確定
Case85国(在日米軍厚木航空施設・パワハラ)事件東京R3.11.22労判1258.5パワハラ損害賠償安全配慮義務労災    
米国人上司のパワハラにつき国の損害賠償責任が認められた事案控訴
Case86広島中央保健生協(C生協病院)事件 H26.10.23労判1100.5降格減給マタハラ損害賠償百選自由な意思   
妊娠労働者の軽易業務への転換に伴う降格措置を無効とした最高裁判例 
Case87秋北バス事件 S43.12.25民集22.13.3459就業規則不利益変更百選     
就業規則の不利益変更に関する最高裁判例 
Case88フジ興産事件 H15.10.10労判861.5就業規則百選解雇懲戒処分懲戒解雇   
周知性を就業規則の効力要件とした最高裁判例 
Case89第四銀行事件 H9.2.28労判710.12百選就業規則降格減給     
就業規則作成・変更の合理性の判断基準を示した最高裁判例 
Case90片山組事件 H10.4.9労判736.15百選休職      
私傷病により特定の業務を行えないとしても他の業務を行える場合には債務の本旨に従った履行の提供があるとした最高裁判例 
Case91茨城石炭商事事件 S51.7.8民集30.7.689百選使用者からの請求      
使用者から労働者に対する損害賠償請求を制限した最高裁判例 
Case92ノイズ研究所事件東京H18.6.22労判920.5就業規則不利益変更降格減給     
年功序列型から成果主義型への賃金制度の変更が就業規則の不利益変更に当たるとした事案上告棄却により確定
Case93社会福祉法人賛育会事件東京H22.10.19労判1014.5就業規則不利益変更降格減給     
人件費削減目的でないにもかかわらず賃金減額をもたらし代償措置も不十分である賃金制度の変更が不合理であるとされた事案確定
Case94中野運送店事件京都H26.11.27労判1124.85就業規則不利益変更訴えの利益降格減給    
就業規則中の運行手当明細表の改定による不利益変更の合理性が否定された事案控訴後和解
Case95大阪経済法律学園事件大坂H25.2.15労判1072.38就業規則不利益変更      
代償措置等のない70歳から67歳への定年引下げが不合理な就業規則の不利益変更であるとされた事案控訴
Case96市進事件東京H27.12.3労判1134.5就業規則不利益変更雇止め     
契約更新の上限を満50歳とする就業規則の不利益変更の合理性を事実上否定し、年齢を理由とする雇止めを無効とした事案確定
Case97フェデラルエクスプレスコーポレーション事件東京H24.3.21労判1051.71就業規則不利益変更      
所定休日を減らす就業規則変更の合理性が否定され、休日として行使できる地位の確認が認められた事案控訴
Case98アメックス(休職期間満了)事件東京H26.11.26労判1112.47就業規則不利益変更休職     
復職要件に「健康時と同様」の業務遂行が可能であることを付加する就業規則の不利益変更が不合理であるとされた事案控訴
Case99全日本手をつなぐ育成会事件東京H23.7.15労判1035.105就業規則不利益変更      
公民権の行使等に要した時間に対応する賃金を支給しないこととする就業規則の不利益変更の合理性が否定された事案控訴
Case100三菱重工長崎造船所事件 H12.3.9労判778.11労働時間百選残業代     
労基法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうとした最高裁判例 
Case101長崎市事件福岡R3.10.14 退職の意思表示取消訴訟      
統合失調症により意思能力を欠いた状態で提出された退職願を無効とした事案 
Case102学校法人専修大学(無期転換)事件東京R4.7.6労判1273.19無期転換雇止め訴えの利益     
授業のみに従事する大学の非常勤講師が無期転換の例外の「研究者」に当たらないとされた事案上告棄却により確定
Case103ラッキーほか事件東京R2.11.6労判1259.73労働時間残業代固定残業代     
役員の専属運転手につき出庫・帰庫にかかる時間及び待機時間の労働時間該当性が認められた事案確定
Case104摂津産業開発事件大坂R3.2.26労判1259.55解雇       
従業員に対するハラスメント行為や業務中の飲酒を理由とする普通解雇が無効とされた事案確定
Case105スタッフメイト南九州元従業員ほか事件宮崎・都城R3.4.16労判1260.34損害賠償名誉毀損      
在職中の労働者の引き抜き行為が違法とされたが、会社がその事実を取引先やスタッフに流布したことも違法とされた事案確定
Case106神社本庁事件東京R3.9.16 解雇懲戒解雇懲戒処分公益通報    
宗教法人の理事に対する通報を理由とする懲戒解雇が、公益通報者保護法の趣旨から無効とされた事案上告棄却により確定・一審東京地判R3.3.18労判1260.50
Case107東武バス日光ほか事件東京R3.6.16労判1260.5退職勧奨損害賠償      
退職勧奨における上司の発言が不法行為に該当するとされた事案確定
Case108中部カラー事件東京H19.10.30労判964.72就業規則退職金不利益変更     
退職金の額を「中退共と養老保険の支払額」とするのみで計算方法の記載がない就業規則では、実質的周知がされたとはいえないとされた事案確定
Case109中根製作所事件東京H12.7.26労判789.6労働協約不利益変更降格減給     
53歳以上の従業員の基本給を最大20%以上減額する労働協約を無効とした事案上告棄却により確定
Case110鞆鉄道事件広島H16.4.15労判879.82労働協約不利益変更降格減給     
大会決議を経ずに締結された、56歳以上の従業員の基本給を一律30%減額する労働協約の効力が否定された事案上告棄却により確定
Case111朝日火災海上保険(髙田)事件 H8.3.26労判691.16退職金労働協約不利益変更百選    
退職金を減額する労働協約の非組合員への一般的拘束力を否定した最高裁判例 
Case112ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件札幌H24.10.19労判1064.37降格減給残業代固定残業代     
賃金減額の提案に対して「ああ分かりました」と応答しただけでは賃金減額の同意は認められないとした事案上告
Case113NEXX事件東京H24.2.27労判1048.72降格減給自由な意思      
3年間減額後の賃金を受領していたとしても賃金減額に黙示の合意は認められないとした事案控訴
Case114シー・エー・ピー事件東京H26.1.31労判1100.92降格減給       
賃金減額の書面がなく、書面がない合理的な理由の説明もないことから賃金減額の合意が否定された事案 
Case115シンガー・ソーイング・メシーン・カムパニー事件 S48.1.19労判289.203自由な意思不利益変更退職金     
退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくことが明確である必要があるとした最高裁判例 
Case116日新製鋼事件 H2.11.26労判584.6自由な意思退職金      
賃金債権との相殺の合意は労働者の自由な意思に基づく必要があるとした最高裁判例 
Case117テックジャパン事件 H24.3.8労判1060.5自由な意思残業代固定残業代     
賃金債権の放棄がされたというためには、労働者の自由な意思に基づくことが明確でなければならないとした最高裁判例 
Case118光輪モータース(賃金減額)事件東京H18.8.30労判929.51降格減給       
賃金債権の放棄がされたというためには、労働者の自由な意思に基づくことが明確でなければならないとした最高裁判例控訴
Case119医療法人財団東京厚生会事件東京H9.11.18労判728.36降格減給       
予定表の紛失を理由とする婦長から平看護婦への降格が人事裁量の逸脱として無効とされた事案控訴
Case120近鉄百貨店事件大坂H11.9.20労判778,73降格減給損害賠償      
非管理職間の降格は管理職の降格と比べて使用者の裁量が狭いとされ部長待遇から課長待遇への降格が無効とされた事案確定
Case121ハネウェル・ターボチャージング・システムズ・ジャパン事件東京H16.6.30労判879.37降格減給損害賠償      
営業担当取締役からの4度の降格処分及びこれに伴う4度の減給処分がいずれも人事権の濫用に当たり無効とされた事案控訴
Case122日本ガイダント仙台営業所事件仙台H14.11.14労判842.56配置転換降格減給仮処分     
給与等級の降格及び減給を伴う、営業職から事務職への配転命令全体を無効とした事案 
Case123スリムビューテイハウス事件東京H20.2.29労判968.124降格減給解雇      
エリアマネージャーから店舗マネージャーへの配置転換及び部長1級から次長1級への降格は有効とされたが、賃金体系が明らかでないことから降格に伴う減給は無効とされた事案控訴
Case124学校法人聖望学園ほか事件東京平21.4.27労判986.28降格減給訴えの利益      
学校長から教員への職位の降格は有効だが、就業規則上根拠のない職能資格の降格及び減給は無効であるとされた事案控訴
Case125神奈川SR経営労務センター事件東京H30.10.11 休職       
別件訴訟の尋問期日に出頭出来ていたこと等から復職可能の主治医の診断書が信用できるとされた事案1審・横浜地判平30.5.10労判1187.39
Case126富国生命保険(第三回休職命令)事件東京・八王子H7.7.26労判684.42休職       
頸肩腕障害の再発可能性を理由とする休職命令について就業規則上の休職事由を厳格に解釈したうえ無効とした事案 
Case127日本ヒューレット・パッカード事件 H24.4.27労判1055.5休職懲戒処分      
精神疾患が疑われる労働者の欠勤に対して医師の診断や休職の検討なく行われた諭旨退職処分が無効とされた事案 
Case128石長事件京都H28.2.12労判1151.77退職の意思表示休職高齢者     
休職期間を延長せず一旦退職とし再雇用を保障する旨の上司の説明に基づく労働者の退職の意思表示が錯誤により無効とされた事案控訴後和解
Case129K社事件東京H17.2.18労判892.80休職解雇      
再度の休職が可能であったにもかかわらず主治医の意見を聞かずにされた躁うつ病の再発を理由とする解雇が無効とされた事案控訴
Case130農林漁業金融公庫事件東京H18.2.6労判911.5退職の意思表示休職      
高次脳機能障害により精神的能力が4,5歳の程度となった労働者が提出した退職届が意思無能力により無効とされた事案確定
Case131オリンパス光学工業事件 H15.4.22労判846.5百選知的財産      
職務発明に対する「相当な対価」の額をあらかじめ確定的に定めることはできないとした最高裁判例 
Case132東海旅客鉄道(退職)事件大坂H11.10.4労判771.25休職       
脳内出血で歩行困難等の後遺症が生じた車両技術者につき工具室での就業が可能であったとして休職期間満了による退職扱いを無効とした事案控訴
Case133イセキ開発工機(賃金減額)事件東京H15.12.12労判869.35降格減給就業規則不利益変更     
労働者の同意に基づき新規則上の資格制度を適用するために行う新規則における格付けは労働者の同意の趣旨に著しく反するものであってはならないとした事案控訴
Case134福島県教組事件 S44.12.18労判103.17百選賃金控除      
適正な賃金の額を支払うための調整的相殺は、時期、方法、金額等から労働者の経済生活の安定との関係上不当でなければ労基法24条1項の全額払い原則に反しないとした最高裁判例 
Case135キヤノンソフト情報システム事件大坂H20.1.25労判960.49休職損害賠償      
自律神経失調症により復職当初は従前通り勤務できないとしても、負担軽減措置や配置転換も可能であったとして休職期間満了による退職扱いを無効とし慰謝料も認めた事案確定
Case136デイエフアイ西友(ウェルセーブ)事件東京H9.1.24労判719.87配置転換降格減給仮処分     
配転と賃金は別個の問題であり、使用者には低額な賃金が相当な職種へ配転した場合でも賃金は従前のままとすべき契約上の義務があるとした事案 
Case137小田急電鉄(退職金請求)事件東京H15.12.11労判867.5退職金懲戒解雇百選     
懲戒解雇の場合の退職金不支給条項につき全額不支給及び一部不支給が有効となる場合を制限した事案上告
Case138カントラ事件大坂H14.6.19労判839.47職種限定休職民法536条2項     
職種を特定されて雇用されたが就業規則上職種変更が予定されていた労働者の復職可否の判断にあたり従前の業務の他に配置可能な部署ないし担当可能な業務の検討をすべきであるとした事案上告
Case139バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件東京H7.12.4労判685.17配置転換損害賠償      
課長経験者の受付業務への配転が、労働者の人格権を侵害し労働者を退職に追いやる意図でなされたものであり人事裁量を逸脱した不法行為に当たるとした事案 
Case140大星ビル管理事件 H14.2.28労判822.5百選労働時間残業代変形労働時間制    
不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるとした最高裁判例 
Case141綜企画設計事件東京H28.9.28労判1189.84休職解雇      
休職期間を延長し試し出勤中の労働者の勤務状況から少なくとも相当の期間内に通常の業務を遂行できる程度に回復すると見込まれる状況にあったとした事案控訴後和解
Case142東京アメリカンクラブ事件東京H11.11.26労判778.40降格減給       
賃金減額について単に労働者が明確に拒否しなかったからといって、黙示の承諾があったとはいえないとした裁判例控訴
Case143NHK(名古屋放送局)事件名古屋H30.6.26労判1189.51休職労働時間      
リハビリ勤務中は無給とする合意があったとしても労基法上の労働に当たる以上最低賃金を支払う必要があるとされた事案上告
Case144アーク証券事件東京H8.12.11労判711.57降格減給就業規則不利益変更百選仮処分   
降格・減給を基礎づける就業規則の変更は賃金に関する不利益変更であり高度の必要性に基づいた合理的な内容でなければならないとした事案 
Case145市川エフエム放送事件東京H28.4.27労判1158.147安全配慮義務損害賠償休職     
自殺未遂を起こした労働者を専門家の助言を得ずに職場復帰させた結果自殺に至ったとして会社の安全配慮義務違反を認めた事案上告棄却により確定
Case146J学園(うつ病・解雇)事件東京H22.3.24労判1008.35解雇休職      
使用者が誤った休職期間を通知したことや傷病を理由とする解雇に先立ち主治医の意見を聞かなかった不備があることから解雇が無効とされた事案控訴
Case147第一興商(本訴)事件東京H24.12.25労判1068.5休職       
休職事案において労働者側が配置可能性のある業務で就労可能であることを立証すれば休職事由の消滅について事実上の推定が働くとした裁判例控訴
Case148ケイ・エル・エム・ローヤルダツチエアーラインズ事件東京R4.1.17労判1261.19無期転換雇止め労働者性     
有期雇用契約締結前の訓練契約を含めると有期雇用契約が通算5年を超えているとして無期転換権の行使を認めた事案控訴
Case149グレースウィット事件東京H29.8.25労判1210.77就業規則不利益変更自由な意思固定残業代残業代法人格否認の法理  
就業規則変更を了承した旨の書面に署名押印しただけでは出向手当を固定残業代とする不利益変更に対する自由な意思に基づく同意があるとはいえないとされた事案 
Case150全日本空輸(退職強要)事件大坂H13.3.14労判809.61解雇休職職種限定退職勧奨損害賠償   
職種限定の労働者につき復職後直ちに従前の業務に復帰できない場合でも比較的短期間で復帰可能な場合には債務の本旨に従った労務の提供がないとはいえないとした事案上告
Case151エスツー事件東京R3.9.29労判1261.70外国人内定損害賠償整理解雇    
就業予定であった新規部署の廃止を理由とした外国人留学生に対する内定取消しが不法行為に該当するとされた事案控訴
Case152ビーダッシュ事件東京H30.5.30労経速2360.21残業代固定残業代自由な意思不利益変更就業規則降格減給  
会社の誤った説明により雇用契約書に押印したことをもって基本給の一部を固定残業代とする不利益変更に対する自由な意思に基づく同意があったとはいえないとした事案 
Case153みよし広域連合事件高松R4.2.22 懲戒処分取消訴訟      
病気休暇取得中に起きた部下の私生活上の不祥事について管理監督義務の懈怠があったとはいえないとして戒告処分が取り消された事案1審・徳島地判令3.9.15労判1261.87
Case154ニチネン事件東京H30.2.28労経速2348.12自由な意思降格減給      
退職か賃金減額か選択するよう迫られた労働者の賃金減額の同意が自由な意思に基づくものではないとして無効とされた事案 
Case155凸版物流ほか1社事件東京H30.2.7労判1138.39賃金控除自由な意思損害賠償     
労働者の申告により就労翌日に給与を受け取れる即給サービス利用手数料を給与から天引きしたことが全額払い原則に反するとされた事案上告受理申立
Case156KSAインターナショナル事件京都H30.2.28労判1177.19自由な意思配置転換退職金損害賠償    
違法な配転命令が労働者の同意によって有効となるためには、その瑕疵を拭い去るほどの自由意思に基づく同意であることを要するとした事案確定
Case157ジー・イー・エス事件大坂H31.2.28 自由な意思退職金      
2年前の職務怠慢を理由に給与を自主返納する旨の念書による賃金放棄が労働者の自由な意思に基づくものとはいえないとされた事案 
Case158社会福祉法人佳徳会事件熊本H30.2.20労判1193.52自由な意思不利益変更解雇損害賠償整理解雇   
無期雇用契約から有期雇用契約への労働条件変更に対する労働者の同意は自由な意思に基づくことが必要であるとした事案控訴後和解
Case159フーズシステムほか事件東京H30.7.5労判1200.48自由な意思マタハラ損害賠償解雇有給休暇   
育休明けの時短勤務のために有期雇用への転換が必要であるとの説明に基づいてされた有期雇用契約書への署名が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案 
Case160JR西日本(広島支社)事件広島H14.6.25労判835.43変形労働時間制百選残業代     
変形労働時間制における勤務指定を使用者が任意に変更し得る旨の規定は「特定」の要件を満たさず無効であるとした事案 
Case161グローバルマーケティングほか事件東京R3.10.14労判1264.42自由な意思退職の意思表示退職勧奨降格減給不利益変更   
労働者の退職の意思表示はその経緯等を踏まえて労働者の自由な意思に基づくものでなければならないとして退職合意を無効とした事案控訴
Case162ルーチェほか事件東京R2.9.17労判1262.73残業代損害賠償パワハラ労働時間    
完全予約制の美容院にて予約が入っていない時間に従業員が業務を行っていない時間が相当程度あるからといって労働から解放されていたとは言えないとした事案控訴
Case163国・岩見沢労基署長(元気寿司)事件札幌R3.9.17労判1262.5労災取消訴訟      
トイレに散布された殺菌剤の原液を拭き取る作業による化学物質過敏症の発症につき業務起因性を認めた事案確定
Case164国・中労委(アート警備)事件東京R2.8.20労判1262.37不当労働行為取消訴訟      
組合が守秘義務条項などに同意することを団体交渉開催の条件とすることが正当な理由のない団交拒否に当たるとした事案上告棄却により確定
Case165学究社(年俸減額)事件東京R4.2.8労判1265.5降格減給年俸制      
客観的・具体的・合理的な査定基準の合意がないことから会社には年俸額を査定する権限がないとして年俸減額を無効とした事案確定
Case166ホテルステーショングループ事件東京R3.11.29労判1263.5労働時間残業代新型コロナ休業手当    
コロナ禍でのホテル従業員に対する休業命令について事業を停止していたわけではなく休業手当の支払いを要するとした事案控訴
Case167国際自動車(第二次上告審)事件 R2.3.30労判1220.5残業代固定残業代百選     
割増賃金相当額が歩合給から控除される賃金体系では労基法37条の割増賃金を支払ったとはいえないとした最高裁判例 
Case168一般社団法人奈良県猟友会事件大坂R3.6.29労判1263.46解雇使用者からの請求降格減給整理解雇    
代表理事の指示及び決裁に基づき就業規則にない手当や残業代、昇給等を受給していたことを理由とする解雇が無効とされた事案確定
Case169国・出雲労基署長(ウシオ)事件松江R3.5.31労判1263.62労働時間労災取消訴訟過労死    
戸締り報告書、警備記録、同僚の証言等から月100時間超の時間外労働を認定し自殺の業務起因性を認めた事案確定
Case170ライフデザインほか事件東京R2.11.6労判1264.84残業代固定残業代労働時間     
業務手当は固定残業代ではなく労働者は2時間の所定休憩時間のうち1時間しか休憩できていなかったとされた事案確定
Case171山形県・県労委(国立大学法人山形大学)事件 R4.3.18労判1264.20不当労働行為取消訴訟      
労働委員会は団交事項に関して合意の成立する見込みがない場合であっても使用者に対して誠実交渉命令を発することができるとした最高裁判例 
Case172公益財団法人埼玉県公園緑地協会・狭山市事件さいたまR3.4.23労判1264.57雇止め       
市営公園の指定管理者である法人の職員について法人が指定管理者である限り雇用契約が更新される合理的期待を有していたとした事案控訴後和解
Case173東芝(うつ病・解雇)事件 H26.3.24労判1094.22安全配慮義務労災損害賠償休職解雇   
労働者が精神疾患を申告しなかったことを理由とする過失相殺を否定した最高裁判例 
Case174電通事件 H12.3.24労判779.13百選安全配慮義務労災過労死損害賠償   
過労自殺について会社の安全配慮義務違反を認め労働者の性格や態様等を理由とする過失相殺を否定した最高裁判例 
Case175鹿児島県・U市(私立中学校教諭)事件鹿児島H26.3.12労判1095.29安全配慮義務公務員労災損害賠償過労死国賠  
特別研修中の市立教員の自殺について市及び県の安全配慮義務違反が認められた事案確定
Case176さいたま市(環境局職員)事件東京H29.10.26労判1172.26安全配慮義務パワハラ労災損害賠償国賠   
うつ病の既往歴がある職員が上司のパワハラを訴えていたにもかかわらず適切な対処がなされず自殺に至ったことについて市の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case177広告代理店A社元従業員事件福岡H28.10.14労判1155.37安全配慮義務使用者からの請求損害賠償残業代    
精神疾患を告げた上退職の意思表示をした労働者に対し後任が採用され引継ぎが終わるまで退職しない旨を誓約せさたことが安全配慮義務に違反するとされた事案 
Case178ユニデンホールディングス事件東京H28.7.20労判1156.82降格減給就業規則自由な意思退職金    
賃金減額規定が、減額事由、減額方法、減額幅等の点において基準としての一定の明確性を有するものでなければ個別の賃金減額の根拠たり得ないとした事案控訴
Case179長大事件東京R2.2.26 降格減給訴えの利益      
人事考課において客観的で明確でない事象を降格減給の主要な理由とするには少なくとも人事考課結果のフィードバックが必要であるとした事案 
Case180メイト事件東京R3.9.7 降格減給就業規則      
会社の減給規定が具体的基準を欠き特別な事情のない限りかかる規定により賃金を減額することはできないとされた事案 
Case181日立製作所武蔵工場事件 H3.11.28労判594.7解雇懲戒解雇懲戒処分百選    
就業規則に36協定の範囲内で残業を命じる旨定められその内容が合理的な場合には労働者は時間外労働義務を負うとした最高裁判例 
Case182トーコロ事件 H13.6.22労判808.11解雇労使協定百選     
36協定の過半数代表といえるためには過半数の労働者が支持していると認められる民主的な手続きが必要であるとした最高裁判例 
Case183阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件 H26.1.24労判1088.5残業代事業場外みなし制百選     
派遣添乗員について労働時間を算定し難いときに当たらないとして事業場外みなし制の適用を否定した最高裁判例 
Case184神代学園ミューズ音楽院事件東京H17.3.30労判905.72残業代管理監督者百選使用者からの請求    
実質的な権限や勤務実態から専門学校の部長職及び課長職の管理監督者性を否定した事案確定
Case185白石営林署事件 S48.3.2労判171.16百選有給休暇      
年次有給休暇権の法的性質を明らかにし年次有給休暇の取得に使用者の承諾を不要とした最高裁判例 
Case186国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件 H28.7.8労判1145.6百選労災      
歓送迎会から職場に戻る際に起きた交通事故に業務起因性が認められた最高裁判例 
Case187医療法人社団新拓会事件東京R3.12.21労判1266.44シフト制不利益変更降格減給     
シフト制の医師につき固定した勤務日および勤務時間の合意があったとしてシフト削減を無効とした事案確定
Case188シナジー・コンサルティング事件東京R3.2.15労判1264.77解雇懲戒解雇懲戒処分     
上司ともみ合いになっただけでは暴行があったとはいえないとして懲戒解雇及び普通解雇が無効とされた事案確定
Case189大石塗装・鹿島建設事件 S55.12.18労判359.58安全配慮義務損害賠償労災百選    
元請会社の現場で起きた落下事故について下請会社の労働者に対する元請会社の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case190山口観光事件 H8.9.26労判708.31懲戒処分懲戒解雇百選     
懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は特段の事情のない限り当該懲戒の理由にならないとした最高裁判例 
Case191エスエイピー・ジャパン事件東京H14.9.3労判839.32懲戒解雇退職金損害賠償解雇退職   
会社が不正経理の疑いのある労働者の退職を認めないとしても退職届の提出から2週間で退職の効力が生じその後の懲戒解雇は無効とした事案控訴
Case192大隈鐵工所事件 S62.9.18労判504.6百選退職      
退職願を人事部長が受理した時点で合意退職申込みに対する会社の承諾があったとし以後の退職願の撤回を認めなかった最高裁判例 
Case193マガジンプランニング事件京都H23.7.4労旬1752.83配置転換退職損害賠償     
自宅を事務所とするよう命じられたことを理由とする有期雇用契約の即時解約は会社の故意過失によるものであるとして残期間の賃金相当額の賠償を認めた事案 
Case194高野メリヤス事件東京S51.10.29労判264.35退職退職金懲戒解雇解雇    
民法627条の2週間の退職予告期間を就業規則により延長することはできず退職に会社の許可を必要とすることもできないとした事案 
Case195マーベラス事件東京R4.2.28労判1267.5降格減給       
人事考課により4年連続減給された事案で個々の人事考課に権限濫用はないとしても連続減額は不合理であり当初賃金から10%を超える減額部分は減額幅決定権限の濫用に当たり無効であるとした事案確定
Case196プロシード元従業員事件横浜H29.3.30労判1159.5使用者からの請求損害賠償      
躁うつ病を捏造して退職したことを理由とする会社の労働者に対する損害賠償請求本訴が棄却され逆に不当訴訟を理由とする労働者の会社に対する反訴が認められた事案控訴
Case197サロン・ド・リリー事件浦和S61.5.30労判489.85使用者からの請求損害賠償の予定      
新人美容師につき退職したら講習手数料を支払う旨の誓約書が違法な損害賠償の予定に当たり無効とされた事案確定
Case198日本ポラロイド(サイニングボーナス等)事件東京H15.3.31労判849.75使用者からの請求損害賠償の予定      
1年以内に退職したらサイニングボーナス200万円を返還する旨の約定が不当な拘束手段であるとして無効とされた事案確定
Case199貸金請求事件東京H26.8.14判時2252.66使用者からの請求損害賠償の予定      
契約期間満了前に退職した場合に返還するとの約定で会社が労働者に約1100万円を貸し付ける旨の契約が無効とされた事案 
Case200東箱根開発事件東京S52.3.31労判274.43使用者からの請求損害賠償の予定      
1年間勤続した場合に支給される勤続奨励手当の月割額を毎月の給料日に支給し労働者が期間途中に退職した場合には全額返還する旨の約定が無効とされた事案 
Case201和幸会(看護学校修学資金貸与)事件大阪H14.11.1労判840.32使用者からの請求損害賠償の予定      
将来法人が経営する病院で一定期間就労すれば免除するとの合意の下に法人が看護学校の修学資金を貸与する旨の契約が労基法16条に反し無効とした事案控訴
Case202徳島健康生活協同組合事件高松H15.3.14労判849.90使用者からの請求損害賠償の予定      
研修医の研修期間終了後に使用者の経営する病院で勤務しない場合には研修期間中に支給した補給金を返還する旨の研修規程を労基法16条に反し無効とした事案確定
Case203新日本証券事件東京H10.9.25労判746.7使用者からの請求損害賠償の予定      
留学の業務性を認め留学後5年以内に退職した場合に留学費用を返還する旨の規程が労基法16条に違反するとした事案確定
Case204アムールほか事件東京R4.5.25労判1269.15セクハラ安全配慮義務損害賠償パワハラフリーランス   
業務委託のライターに対する会社代表者のセクハラ・パワハラについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案確定
Case205函館バス(仮処分)事件函館R4.4.1労判1269.32仮処分不当労働行為      
定年退職した労働者を労働組合の代表者とする団体交渉申入れについて会社に応じる義務があるとした事案 
Case206ビジネスパートナーほか事件東京R4.3.22労判1269.47懲戒処分損害賠償降格減給訴えの利益    
代表者に消極意見や反対意見を述べたこと等を理由に部長職から一般職へ降格し給与を8万5000円減額した処分等が違法無効とされ慰謝料も認められた事案確定
Case207テイケイ事件東京R5.2.21 退職勧奨退職の意思表示      
労働者の行為が犯罪に当たるとの虚偽の説明をされて書かされた退職届が錯誤無効とされた事案一審・東京地判令4.3.25労判1269.73、上告
Case208東京リーガルマインド事件東京H7.10.16労判690.75仮処分使用者からの請求競業避止義務就業規則不利益変更   
元最高幹部の資格予備校講師及び元代表取締役に対する退職後の競業避止義務違反に基づく営業禁止仮処分が却下された事案 
Case209アサヒプリテック事件福岡H19.10.5労判956.91使用者からの請求競業避止義務      
役職のない元労働者に対して競業避止義務に基づく歯科用合金スクラップ等の買取りの差止め請求が棄却された事案控訴
Case210アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー事件東京H24.6.13 退職金競業避止義務労働者性     
保険商品の販売にかかるノウハウは本人の能力と努力によるものであるとして保険会社の元執行役員に対する競業避止条項が無効とされた事案 
Case211社会福祉法人セヴァ福祉会事件京都R4.5.11労判1268.22就業規則固定残業代変形労働時間制労働時間残業代管理監督者降格減給 
タイムカードがある月の残業代からタイムカードがない月の残業代を推定し、自己負担した健康診断費用の不当利得返還請求を認めた事案控訴
Case212ユーコーコミュニティ従業員事件東京R4.10.20 使用者からの請求       
即時確定の利益を欠くとしてパワハラ等に基づく損害賠償債務や謝罪文交付義務の不存在確認訴が却下された事案一審判決・横浜地相模原支判令4.2.10労判1268.68
Case213学校法人茶屋四郎次郎記念学園(東京福祉大学)事件東京R4.1.27労判1268.76雇止め       
無期転換に必要な通算期間を10年とする教員任期法を適用し無期転換を否定したが、雇止めを無効として地位確認を認めた事案確定
Case214日本郵便(北海道本社・本訴)事件札幌R3.11.17労判1267.74懲戒処分懲戒解雇解雇     
約1年半の間に100回にわたり旅費を不正請求したことを理由とする懲戒解雇が、同等の行為をした従業員が停職処分であったことなどから無効とされた事案上告棄却により確定
Case215アンドモワ事件東京R3.12.21労判1266.74整理解雇新型コロナ解雇     
コロナ禍の飲食店における整理解雇が手続きの妥当性が著しく欠けていたとして無効とされた事案確定
Case216川崎市・市人事委員会(是正措置要求)事件横浜R3.9.27労判1266.85取消訴訟降格減給      
地方公務員法46条等に基づく措置要求を棄却する市人事委員会の判定が違法として取り消された事案確定
Case217アルデバラン事件横浜R3.2.18労判1270.32労働時間残業代管理監督者固定残業代    
緊急看護対応業務のために緊急呼出用の携帯電話を携帯していた時間が労働時間と認められた事案控訴
Case218バイボックス・ジャパン事件東京R3.12.23労判1270.48民法536条2項休業手当      
唯一の資金源である親会社からの資金供給が停止されたことを理由とする事業停止および休業命令に合理性がないとして賃金全額の支払いを命じた事案確定
Case219システムメンテナンス事件札幌R4.2.25労判1267.36労働時間残業代      
終業時間後の緊急対応のために事務所内で待機していた時間が労働時間と認められた事案上告
Case220栗田運輸事件東京R3.7.7労判1270.54就業規則不利益変更降格減給     
歩合給および家族手当を廃止して割増賃金として支払う運行時間外手当を創設する給与規程の改定が不利益変更に当たり無効とされた事案上告
Case221尾崎織マーク事件京都H30.4.13労判1210.66損害賠償整理解雇解雇高齢者    
定年間近の整理解雇を無効とし定年後の賃金3年分の損害賠償を認めた事案控訴後和解
Case222学校法人奈良学園事件奈良R2.7.21労判1231.56解雇整理解雇      
学部廃止に伴う大学教員の整理解雇が他学部への異動が検討されていないことなどから無効とされた事案控訴
Case223センバ流通(仮処分)事件仙台R2.8.21労判1236.63整理解雇仮処分解雇新型コロナ    
雇用調整助成金や臨時休車措置を利用せずに行われたタクシー運転手の整理解雇が解雇回避努力を怠ったものとして無効とされた事案 
Case224バークレイズ証券事件東京R3.12.13労経速2478.3整理解雇解雇      
外資系金融機関の雇用慣行を前提としても整理解雇の4要件(要素)が妥当するとしてポジションの廃止を理由とする整理解雇を無効とした事案 
Case225東亜ペイント事件 S61.7.14労判477.6配置転換百選      
配転命令が人事権の濫用に当たるか否かの判断基準を示した最高裁判例 
Case226トナミ運輸事件富山H17.2.23労判891.12損害賠償百選公益通報退職勧奨不利益変更配置転換  
会社のヤミカルテル等をマスコミに内部告発したことを理由とする不利益取扱い等を違法とした事案控訴
Case227学校法人上野学園事件東京R3.8.5労判1271.76就業規則不利益変更      
理事長が決裁した支給表が賃金規程の「別の定め」に当たり入試手当の支給根拠になるとした事案確定
Case228横浜ゴム事件 S45.7.28民集24.7.1220百選解雇懲戒解雇懲戒処分    
私生活上の住居侵入罪を理由とする懲戒解雇を無効とした最高裁判例 
Case229ネスレ日本事件 H18.10.6労判925.11懲戒処分百選      
7年以上前の上司への暴行を理由とする諭旨退職処分を時間の経過により無効とした最高裁判例 
Case230阪神共同作業事件東京R4.2.25 降格減給残業代管理監督者     
支店長解任に伴う賃金減額を無効とし支店長の管理監督者性を否定した事案 
Case231全日本空輸事件東京H11.2.15労判760.46百選懲戒処分休職     
プライベートで元交際相手に傷害を負わせたとして刑事裁判を受けていた労働者に対する起訴休職処分が無効とされた事案確定
Case232セーフティ事件横浜R4.4.27ジャーナル125.1安全配慮義務労災過労死損害賠償労働時間   
顧客車両の運行・保守管理を業務とする運転手について自宅近くの車庫と顧客の自宅を顧客車両で移動する時間が労働時間に当たるとして過労死に対する会社の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case233Aラーメン事件仙台H20.7.25労判968.29残業代承継      
解散した会社の下で発生した未払残業代債務について個人事業主として店舗の営業を継続した元代表取締役への承継を認めた事案確定
Case234葵宝石事件東京R4.2.17 安全配慮義務労災損害賠償パワハラ    
元代表取締役の労働者に対する言動による精神疾患発症について業務起因性及び会社の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case235しまむらほか事件東京R3.6.30労判1272.77損害賠償パワハラ      
従業員らがアルバイトに対して繰り返し「仕事したの。」と聞く等の嫌がらせをしたことが共同不法行為に当たるとされた事案確定
Case236デンタルシステムズ事件大阪R4.1.28労判1272.72解雇新型コロナ      
ソフトウェアの営業担当についてコロナ禍における成績不良を理由とする解雇が無効とされた事案確定
Case237国・豊橋労基署長(丸裕)事件名古屋R4.2.7労判1272.34取消訴訟労災      
業務中の同僚の故意の暴行による負傷について業務起因性を認めて労災不支給決定を取り消した事案確定
Case238タジマヤ(解雇)事件大阪H11.12.8労判777.25整理解雇承継解雇     
承継会社に事業を引き継ぐことを前提とする会社解散に伴う整理解雇を無効とし承継会社との雇用関係を認めた事案控訴
Case239長崎市事件長崎R4.5.30 国賠セクハラ損害賠償安全配慮義務    
市の責任者が記者に対してした性的暴行やその後の二次被害防止義務違反について国賠法上の責任が認められた事案 
Case240第一交通産業ほか(佐野第一交通)事件大阪H19.10.26労判975.50法人格否認百選不当労働行為承継    
法人格否認の法理により親会社に対して偽装解散した子会社の従業員に対する雇用契約上の責任を認めた事案確定
Case241GT-WORKS事件大阪R4.5.20 労働者性残業代損害賠償     
契約形式が業務委託契約に変更された後も労働契約該当性があるとして残業代や保険料相当額の損害賠償が認められた事案 
Case242千田事件大阪R4.5.20 退職金自由な意思      
仮に未収金の回収が完了するまで退職金を支払わない旨の合意があったとしても自由な意思に基づくものでなく無効であるとされた事案 
Case243ヤマサン食品工業事件富山R4.7.20労判1273.5高齢者解雇      
定年後再雇用を拒否できるのは就業規則上の解雇事由等がある場合に限られるとし、けん責処分を受けたことを理由とする再雇用拒否が無効とされた事案控訴
Case244京阪バス会(京阪バス)事件京都R4.3.30労判1273.25使用者からの請求名誉毀損      
所長が窃盗行為を行ったかのように記載した労働組合の壁新聞の違法性が否定された事案確定
Case245国・名古屋北労基署長(ヤマト運輸)事件名古屋R2.12.16労判1273.71労災取消訴訟過労死     
「強」に近い長時間労働と被災者の起こした事故を合わせて心理的負荷の強度を「強」として業務起因性を認めた事案確定
Case246千代田区事件東京R4.5.20 国賠安全配慮義務損害賠償     
適応障害による休職後トラウマを訴え強く異動を求める職員を漫然と同じ職場で働かせ続けたことが国賠法上違法とされた事案 
Case247ローカスト事件東京R4.2.10 損害賠償セクハラ解雇     
取締役が解雇を恐れる労働者の気持ちを利用して2年以上に渡り性的関係を持ったうえ解雇したことについて会社の使用者責任が認められた事案 
Case248DRPネットワーク事件東京R4.2.25 無期転換解雇      
無期転換権行使後の解雇が無効とされた事案 
Case249日本アイ・ビー・エム(会社分割)事件 H22.7.12労判1010.5百選承継      
会社分割において会社に協議義務違反があった場合には労働者が労働契約承継を争うことができるとした最高裁判例 
Case250インターメディア事件東京R4.3.2 就業規則不利益変更残業代固定残業代パワハラ損害賠償自由な意思 
56時間ないし42時間分の固定残業代を導入する就業規則の変更が合理性を欠き無効とされた事案 
Case251ニューアート・テクノロジー事件東京R4.3.16 解雇整理解雇就労意思     
整理解雇後にアメリカの会社に就職しアメリカに居住していることをもって被告会社における就労の意思を喪失したとはいえないとされた事案 
Case252日欧産業協力センター事件東京H17.1.26労判890.18雇止め整理解雇損害賠償マタハラ    
整理解雇的雇止めを無効とし育児休業を拒否されたことに対する慰謝料請求を認めた事案確定
Case253出水商事事件東京H27.3.13労判1128.84マタハラ損害賠償      
産休中の労働者に対して退職扱いにすると告げ退職通知を送付したことが育児介護休業法等に違反する不法行為に当たるとされた事案控訴
Case254医療法人稲門会(いわくら病院)事件大阪H26.7.18労判1104.71マタハラ損害賠償      
育児休業を理由とする職能給の不支給及び昇格試験を受けさせなかったことが違法な不利益取扱いに当たるとした事案確定
Case255学校法人近畿大学(講師・昇給等)事件大阪H31.4.24労判1202.39マタハラ損害賠償      
前年度の一部期間に育児休業を取得したことを理由に定期昇給させなかったことが違法な不利益取扱いに当たるとされた事案控訴
Case256社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会事件東京H27.10.2労判1138.57マタハラ損害賠償      
育児時短勤務を取得した労働者に対し労働時間に比例した昇給しかさせなかったことが違法な不利益取扱いに当たるとした事案控訴
Case257トラストスリー事件東京R4.2.4 解雇試用期間パワハラ損害賠償    
試用期間中の解雇を無効とし実質的代表者によるパワハラに対する慰謝料10万円が認められた事案 
Case258国・中労委(大久保自動車教習所)事件東京R4.2.2 不当労働行為取消訴訟賞与     
非組合員にのみ賞与を支給し組合員には一切支給しなかったことが不利益取扱いの不当労働行為に当たるとされた事案 
Case259一般社団法人日本品質保証機構事件東京R4.2.2 解雇試用期間      
労働者に改善の見込みがないということはできず他部署への配転等も可能であったとして能力不足による試用期間中の解雇を無効とした事案 
Case260山口県事件広島R4.4.21判時2550.43損害賠償退職勧奨国賠公務員    
私生活の非行を理由として行われた警察官に対する執拗な退職勧奨等が違法であるとして慰謝料請求が認められた事案 
Case261辻󠄀中事件大阪R4.4.28 残業代管理監督者変形労働時間制     
週40時間を超える所定労働時間を無効とし総務部長の管理監督者性を否定した事案 
Case262スミヨシ事件大阪R4.4.12労判1278.31解雇障害者      
てんかんの障害を有することを前提に雇用された労働者について勤務意欲が低いなどの理由でされた解雇が無効とされた事案確定
Case263吉永自動車工業事件大阪R4.4.28労判1285.93自由な意思       
最低賃金違反があることを知らずに締結された合意書による賃金債権放棄の効力が否定された事案控訴
Case264奈良県事件奈良R4.5.31 安全配慮義務労災過労死損害賠償    
長時間労働によるうつ病の発症については予見可能性がなかったもののその後の自殺について安全配慮義務違反が認められた事案 
Case265名古屋自動車学校(再雇用)事件名古屋R4.3.25 非正規格差高齢者賞与損害賠償    
定年後の嘱託職員と定年前の正職員との間の基本給、皆精勤手当等、賞与の格差が労契法旧20条の不合理な格差であるとされた事案 
Case266下関商業高校事件 S55.7.10労判345.20退職勧奨損害賠償百選     
退職勧奨が不法行為に該当する評価基準を示した最高裁判例 
Case267学校法人滋賀学園事件大津R4.6.30 解雇損害賠償      
学生に対するハラスメントを理由とする教授の解雇が違法無効とされ慰謝料も認められた事案 
Case268宮崎県・県教委事件 R5.6.27 公務員退職金取消訴訟懲戒解雇    
30年以上問題なく勤務してきたが酒気帯び運転で逮捕され懲戒免職処分となった高校教諭の退職金を全額不支給とすることも有効とした最高裁判例 
Case269JR西日本(岡山支社)事件岡山R4.4.19労判1275.61労働時間       
乗務員の待機場所間違いにより生じた2分の遅れに対する賃金控除を無効とし2分間分の賃金請求権を認めた事案確定
Case270学校法人茶屋四郎次郎記念学園(東京福祉大学東京R4.10.24 パワハラ損害賠償安全配慮義務就労請求権    
和解内容に違反して専任教授に授業を担当させなかったこと及びハラスメントの申告を長期間放置したことが債務不履行に当たるとされた事案1審・東京地判令4.4.7労判1275.72
Case271バイオスほか(サハラシステムズ)事件東京H28.5.31労判1275.127使用者からの請求派遣競業避止義務     
派遣先での就労禁止条項が派遣法33条に違反し無効であるとして派遣会社から元従業員らに対する損害賠償請求が棄却された事案控訴
Case272スタッフマーケティング事件東京R3.7.6労判1275.120雇止め       
委託元の家電量販店で働く販売員について3か月の有期雇用契約が5回更新された後の雇止めが無効とされた事案確定
Case273PASS-I-ONE事件東京R4.4.22 退職の意思表示解雇      
社長と口論になった際に労働者が退職の意思表示をした事実はないとして地位確認が認められた事案 
Case274リバーサイド事件東京R4.7.7労判1276.21退職の意思表示整理解雇解雇シフト制新型コロナ民法536条2項  
シフトを全く入れなくなったアルバイトについて退職の意思表示があったとはいえないとして雇用契約上の地位確認等が認められた事案上告
Case275酔心開発事件東京R4.4.12労判1276.54残業代固定残業代自由な意思不利益変更    
雇用契約時の固定残業代の合意につき明確区分性を否定して無効としその後の固定残業代の合意も自由な意思に基づくものでないとして無効とした事案確定
Case276細谷服装事件 S35.3.11民集14.3.403解雇百選      
労基法20条所定の解雇予告を欠く解雇通知であっても通知後に所定の予告期間を経過したときに解雇の効力が生じるとした最高裁判例 
Case277ヨツバ117事件大阪R4.7.8 残業代事業場外みなし制自由な意思賃金控除    
タイムカードで時間管理されていた営業職員について事業場外みなし制の適用が否定された事案 
Case278埼玉県立病院機構事件さいたまR4.7.29 残業代労働時間      
早出残業が常態化していた看護師についてナースステーションのパソコンのログイン時刻による残業代請求が認められた事案 
Case279ビーチャイニーズ事件東京R4.3.30 残業代管理監督者      
語学教室の校長の管理監督者性が否定された事案 
Case280ライフマティックス事件大阪R4.2.18 セクハラ損害賠償      
男性上司が女性の部下をガールズバーに同行させ淫らな行為をするよう煽ったり卑わいな発言をしたこと等が不法行為に当たるとされた事案 
Case281イノベークス事件東京R4.3.23 残業代固定残業代管理監督者事業場外みなし制    
常駐のシステムエンジニアについて管理監督者性、事業場外みなし制の適用及び手当の固定残業代該当性が否定された事案 
Case282Sparkle事件東京R4.3.30 解雇使用者からの請求      
業務の拒否や社長に対する言動が解雇理由に当たるものの解雇は無効とされた事案 
Case283伊藤忠商事事件東京R4.3.16 解雇       
和解協議における労働者の提案内容を契機としてされた解雇が無効とされた事案 
Case284第一興商事件東京R4.6.29 損害賠償労災安全配慮義務     
従業員が雨に濡れた屋外階段で滑って転倒したことについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case285カワサキテクノリサーチ事件大阪R4.7.22 降格減給自由な意思      
労働契約が解除され在留資格が取り消されるおそれがある中で行われた賃金減額への同意が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案 
Case286国・高松刑務所事件高松R4.8.30 国賠損害賠償安全配慮義務パワハラセクハラ公務員配置転換 
パワハラ・セクハラによるうつ病発症後の配置転換等についても国の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case287JMITU愛知支部ほか(オハラ樹脂工業・仮処分)事件名古屋R4.11.10労判1277.37使用者からの請求仮処分名誉毀損正当な組合活動    
組合ウェブサイトへの記事の掲載が正当な組合活動であるとして、会社による削除請求が却下された事案 
Case288近鉄住宅管理事件大阪R4.12.5労判1283.13解雇退職新型コロナ     
マンション管理員についてマスク不着用及び通勤手当の不正受給を理由とする解雇が無効とされた事案確定
Case289大尊製薬事件大阪R4.9.29 解雇       
法令に反して有給休暇を不承認とし出勤を支持する警告書を破り捨てたことや業務の引継ぎに応じなかったことなどを理由とする解雇が無効とされた事案 
Case290日本航空インターナショナル事件東京H19.3.26労判937.54民法536条2項マタハラ不当労働行為     
少数派組合の深夜業免除者について不就労とされた日の賃金請求が一部認められた事案確定
Case291テイケイ事件東京R4.12.8 残業代固定残業代労働時間     
警備員が週に1度支社に赴き勤務実績報告書の提出等を行っていた時間及び現場から支社への移動時間が労働時間と認められた事案上告棄却により確定・一審東京地判令4.6.1労経速2502.28
Case292医療法人佐藤循環器科内科事件松山R4.11.2 賞与       
賞与の考課期間満了後支給日前に病死した労働者に支給日在籍要件を適用することは公序良俗に反するとして賞与請求が認められた事案 
Case293国・川越労基署長(サイマツ)事件東京R3.4.5労判1278.80労災取消訴訟      
労災保険の特別加入者である取締役が行った車両の探索・下見が労働者の行う業務に準じた業務の範囲外であるとした労災不支給決定が取り消された事案確定
Case294REI元従業員事件東京R4.5.13労判1278.20使用者からの請求競業避止義務      
システムエンジニアの派遣・紹介会社における退職後1年間の競業避止条項が公序良俗に反し無効とされた事案確定
Case295ジブラルタ生命保険事件東京R4.6.10労経速2504.27退職金使用者からの請求懲戒解雇     
労働者が在職中に会社の業務妨害の予備行為を行ったことが懲戒解雇事由に該当するものの退職金の返還は認められないとした事案 
Case296A労働組合山梨県本部事件甲府R4.9.1 パワハラ損害賠償安全配慮義務     
労働組合の中央執行委員長のパワハラ及びパワハラ防止措置義務違反が認められた事案 
Case297MARUWA事件名古屋R4.8.26 労災損害賠償安全配慮義務過労死    
時間外労働時間は月75時間程であったものの出張の移動時間等を考慮して心疾患による死亡の業務起因性を認めた事案 
Case298青森市事件青森R4.9.27 安全配慮義務損害賠償労災公務災害公務員   
職員の時間外勤務の時間や業務負担の管理等について市の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case299日本郵便事件札幌R4.12.8労経速2511.3解雇懲戒解雇懲戒処分     
生命保険募集人としての権限・地位を濫用して顧客に契約をさせた事実は認められないとして懲戒解雇が無効とされた事案 
Case300日本マクドナルド事件名古屋R4.10.26労経速2506.3変形労働時間制残業代      
就業規則で定めていない店舗独自のシフトが使われていたことから1か月単位の変形労働時間制が無効とされた事案高裁判決有り
Case301住吉運輸事件大阪R4.10.13 残業代固定残業代      
トラックドライバーの業績手当及び運行手当が固定残業代に該当せず、無事故手当が除外賃金に含まれないとされた事案 
Case302ITサービス事業A社事件東京R4.11.16労経速2506.28民法536条2項在宅勤務      
在宅勤務者に対する業務上の必要性のない出社命令が無効であるとされた事案 
Case303インテリム事件東京R4.6.29労経速2505.10パワハラ年俸制損害賠償配置転換降格減給   
営業社員に貸与していたスマホの回収や監査室への配置転換が違法とされ固定残業代を含む年俸減額が無効とされるなどした事案 
Case304グッドパートナーズ事件東京R4.6.22労判1279.63雇止め       
派遣会社から契約更新が確定した旨のメールを受信したことから更新の合理的期待が認められ雇止めが無効とされた事案 
Case305糸島市・市消防本部消防長事件福岡R4.7.29労判1279.5公務員取消訴訟国賠懲戒処分懲戒解雇損害賠償  
長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案控訴
Case306弁護士法人甲野法律事務所事件横浜・川崎R3.4.27労判1280.57パワハラ損害賠償使用者からの請求フリーランス    
法律事務所を退職した弁護士に対する損害賠償請求が棄却され代表弁護士のパワハラを理由とする慰謝料請求の反訴が認容された事案控訴
Case307泉南アスベスト訴訟 H26.10.9民集68.8.799アスベスト労災国賠損害賠償    
国が石綿工場に局所排気装置の設置を義務づけなかったことが国賠法上違法であったとした最高裁判例 
Case308建設アスベスト(大阪)事件 R3.5.17労判1268.5アスベスト労災国賠損害賠償フリーランス   
石綿被害につき一人親方の保護を認めた最高裁判例 
Case309建設アスベスト訴訟(京都)事件 R3.5.17労判1259.33アスベスト労災国賠損害賠償    
屋外建設作業に従事する者との関係で国と建材メーカーの責任を否定した最高裁判例 
Case310フジ住宅ほか事件大阪R3.11.18労判1281.58損害賠償安全配慮義務外国人     
会社が従業員に対してヘイトスピーチ等を含む資料を配布するなどした行為が在日韓国人である原告に対する不法行為にあたるとした事案上告棄却により確定
Case311木の花ホームほか1社事件宇都宮R2.2.19労判1225.57残業代変形労働時間制固定残業代自由な意思降格減給パワハラ損害賠償 
月131時間14分相当の固定残業代の定めが公序良俗に違反し無効であるとされた事案 
Case312ダイレックス事件長崎R3.2.26労判1241.16労働時間残業代変形労働時間制使用者からの請求    
週40時間を超えるシフトによる変形労働時間制を無効とし事実上強制されたセミナーの受講時間が労働時間に当たるとした事案控訴
Case313TWS Advisors事件東京R4.3.23労経速2507.28労働者性       
契約書を交わすことなく締結された契約が業務委託契約ではなく労働契約であるとして会社による一方的な契約解消が無効とされた事案 
Case314熊本総合運輸事件 R5.3.10労判1284.5残業代固定残業代      
時間外手当が増えるとその分調整手当が減る賃金体系において労基法37条の割増賃金の支払いがあったとはいえないとした最高裁判例 
Case315スルガ銀行事件東京R4.6.23労経速2503.3解雇懲戒解雇懲戒処分     
銀行の元営業本部パーソナル・バンク長に対する懲戒解雇が無効とされた事案 
Case316JYU-KEN(文書提出命令)事件東京R4.12.23労経速2512.18文書提出命令残業代      
会社がタイムカードを所持していないとは考え難いとして会社にタイムカードの提出を命じた事案 
Case317函館バス事件函館R4.12.13 高齢者       
客観的合理的理由を欠く定年後再雇用拒否を無効とし雇用契約上の地位確認を認めた事案 
Case318東海交通機械事件名古屋R4.12.23労経速2511.15パワハラ安全配慮義務損害賠償     
同僚従業員による暴力を含む継続的なハラスメントについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案 
Case319住友生命保険(費用負担)事件京都R5.1.26労判1282.19賃金控除       
使用者から義務づけられ選択の余地がない営業活動費を賃金から控除する合意は労働者の自由な意思に反し許されないとした事案控訴
Case320大陸交通事件東京R3.4.8労判1282.62賃金控除       
タクシー乗務員の明示の同意のない賃金からのハイグレード車使用料の控除が無効とされた事案控訴
Case321不動技研工業事件長崎R4.11.16労経速2509.3残業代管理監督者性懲戒処分解雇損害賠償   
就労時間中に従業員引き抜きの準備行為をしたことを理由とする懲戒処分がいずれも無効とされた事案 
Case322セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件東京R4.11.16労経速2508.3残業代事業場外みなし制      
打刻時の位置情報を把握できるシステムの導入により直行直帰のMRの労働時間を算定できるようになったとして事業場外みなし制が無効とされた事案結論は敗訴
Case323国・笠岡労働基準監督署長事件岡山R4.3.30労経速2508.8労災取消訴訟      
トラック運転手からラーメン店の店長候補に配置転換された労働者について精神疾患発症の業務起因性を認めた事案 
Case324大器キャリアキャスティングほか1社事件大阪R4.10.14労判1283.44労災損害賠償安全配慮義務     
使用者が労働者の兼業状況を容易に把握することができたとして兼業も合わせた長時間労働につき安全配慮義務違反を認めた事案確定
Case325メガカリオン事件東京R4.7.5 配置転換懲戒処分解雇民法536条2項    
開発センター廃止を理由とするセンター長に対する配転命令を無効とし配転命令拒否を理由とする賃金支払停止、減給処分及び解雇も無効とした事案 
Case326地方独立行政法人市立東大阪医療センター(仮処分)事件大坂R4.11.10労判1283.27配置転換仮処分職種限定就労請求権    
三次救急の救急外科医につき職種限定を認め配転命令を無効とし就労請求権も認めた事案 
Case327タイムス物流事件大坂R4.12.22 退職金使用者からの請求公序良俗労働協約    
労働者が中退共から受け取る退職金のうち社内規程に基づく退職金額を超える差額を会社に返還する旨の労働協約及び合意の効力が民法90条により無効とされた事案 
Case328学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・地位確認)事件大坂R5.1.18労判1285.18無期転換雇止め      
介護福祉士養成課程の授業を担当する大学講師について10年特例の適用を否定して無期転換を認めた事案上告
Case329学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・損害賠償請求等)事件大坂R5.1.26労経速2510.9損害賠償雇止め      
雇止め係争中の学校法人による残置物の撤去等が違法な自力救済に当たるとして法人や代理人弁護士に対する慰謝料請求が認められた事案 
Case330学校法人コリア国際学園事件大坂R4.12.26 不当労働行為解雇懲戒処分損害賠償    
解雇通知を誤って労働者の隣家に投函したことに対する慰謝料が認められ、組合員名簿等の提示を求め団体交渉を拒否したことが不当労働行為に当たるとされた事案 
Case331学校法人橘学苑事件横浜R4.12.22 懲戒処分正当な組合活動      
新聞の取材に法人を批判するコメントをしたことやビラを配布したことが正当な組合活動の範囲内であるとして懲戒事由にならないとされた事案 
Case332学校法人宮崎学園事件福岡・宮崎R3.12.8労判1284.78就業規則不利益変更降格減給年俸制    
60歳を超えた有期雇用教員の年俸を20%減額する給与基準の改定が不合理なものとして無効とされた事案上告棄却により確定
Case333神奈川県事件横浜R4.7.29 安全配慮義務損害賠償      
警察官の拳銃自殺につき精神に不調を来している者に対して拳銃携帯義務を免除することを怠った安全配慮義務違反が認められた事案 
Case334クレディ・スイス事件東京R4.4.12 残業代固定残業代労働時間     
オフィスビルの入退室記録から始業時刻及び終業時刻を推認し残業代請求を認容した事案 
Case335地方公務員災害補償基金愛知県支部長事件名古屋R3.4.19労経速2458.25労災取消訴訟公務災害     
長時間労働に加え職員の時間外勤務時間を月80時間以内に修正する作業をさせられ精神疾患を発症した公務員について公務起因性が認められた事案 
Case336ダイワクリエイト事件東京R4.3.23労経速2394.12解雇民法536条2項      
代表者による「この会社でしてもらう仕事はない」などの発言が労務の受領拒絶(解雇の意思表示)に当たるとして、翌日以降の労務不提供が会社の帰責事由に基づくものとされた事案 
Case337北九州東労働基準監督署長事件福岡R4.3.18労経速2499.9労災取消訴訟      
既に精神障害を発病している労働者の発病・悪化についても、業務による心理的負荷が精神障害を発病させる程度に強度であるといえるかによって業務起因性を判断すべきであるとした事案 
Case338学校法人目白学園事件東京R4.3.28労経速2491.17残業代労働時間      
時間管理されていなかった大学教員についてパソコンのログイン・ログアウト時刻から労働時間を算定し、遡っての欠勤控除を否定した事案 
Case339大阪府事件大坂R4.6.28労経速2500.3労災損害賠償労働時間公務員公務災害安全配慮義務  
公立学校の教員について超勤4項目以外の部活動の時間等も含めて業務の量的過重性を評価すべきであるとして校長の安全配慮義務違反を認めた事案 
Case340協同組合グローブ事件熊本R4.5.17労経速2495.9残業代損害賠償使用者からの請求パワハラ管理監督者固定残業代名誉毀損事業場外みなし制
提訴記者会見における発言の名誉毀損を検討する際には、まず訴状の請求原因事実の記載と合致する限度で真実かどうかを検討すべきであるとした事案 
Case341手数料還付申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 H27.5.19民集69.4.635訴額       
未払金に付帯してされた付加金請求の額は訴額に算入しないとした最高裁判例 
Case342パールシステムズ事件大阪H10.4.30判タ998.259管轄       
自宅を拠点に勤務していた労働者に対する賃金債務につき義務履行地が労働者の住所地であるとして同地に管轄を認めた事案 
Case343栃木県厚生農業協同組合連合会事件東京S60.3.20東高民報36.3.40管轄退職金      
退職金債務について賃金債務と異なり使用者の営業所が義務履行地となる理由はないとして労働者の住所地に退職金請求権の管轄を認めた事案 
Case344医療法人社団創恵会事件東京H28.8.30労判1157.83訴えの利益       
使用者が年金事務所等に対して過去の雇用関係の存在を否定していたことから過去の雇用関係の存在について確認の利益が認められた事案確定
Case345国・所沢労基署長(埼九運輸)事件東京R4.1.18労判1285.81労災取消訴訟固定残業代     
運行時間外手当の固定残業代性を否定し、これを有効として給付基礎日額を算定した労災支給決定を取り消した事案確定
Case346学校法人追手門学院(追手門学院大学)事件大阪H27.11.18労判1134.33損害賠償訴えの利益配置転換職種限定    
大学教授の他の学部への配転命令権を否定しA学部教授として勤務する地位の確認を認めた事案控訴後取下げ
Case347学校法人原田学園事件広島・岡山H30.3.29労判1185.27損害賠償配置転換      
視覚障害等を理由に教員に授業を担当させず学科事務のみを担当させることとする配転命令を無効とした事案上告棄却により確定
Case348学校法人明泉学園事件東京R1.12.12労経速2417.3不利益変更就業規則昇給     
特別の事情がない限り全教員を毎年度少なくとも1号俸ずつ定期昇給させる労使慣行があったとして差額賃金の請求が認められた事案 
Case349学校法人栴檀学園事件仙台H11.12.22判時1727.158就労請求権懲戒処分損害賠償     
大学教授が教授会へ出席すること及び講義を担当することは権利であるとして教授会への出席に対する妨害排除請求が認められた事案 
Case350地位確認等請求事件岐阜H25.2.14ジュリスト1464.124懲戒処分懲戒解雇解雇労働協約    
パチンコ店のホールスタッフが入社に当たり風俗店での勤務歴を申告しなかったことを理由とする懲戒解雇が無効とされた事案 
Case351JR北海道・JR貨物事件 H15.12.22民集57.11.2335百選不当労働行為採用     
組合員であることを理由とする採用拒否は特別の事情がない限り不利益取扱いの不当労働行為に当たらないとした最高裁判例 
Case352学校法人A学園事件大阪H13.4.26判タ1092.170仮処分訴えの利益懲戒処分就労請求権    
教授会による教授に対する演習科目停止措置を無効とし特定の演習科目の指導を担当する地位の保全を認めた事案確定
Case353B金融公庫(B型肝炎ウイルス感染検査)事件東京H15.6.20労判854.5採用損害賠償      
採用応募者の同意を得ずにB型肝炎ウイルス検査をしたことがプライバシー侵害の不法行為に当たるとした事案確定
Case354マッキャンエリクソン事件東京H19.2.22労判937.175訴えの利益降格減給      
採用応募者の同意を得ずにB型肝炎ウイルス検査をしたことがプライバシー侵害の不法行為に当たるとした事案 
Case355学校法人尚美学園事件東京H24.1.27労判1047.5採用解雇      
採用面接において前職場でセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを告知しなかったことを理由とする解雇が無効とされた事案控訴
Case356日立製作所事件横浜 S49.6.19労判206.46解雇懲戒解雇懲戒処分内定採用損害賠償  
在日朝鮮人に対する本籍や氏名等の虚偽申告を理由とする内定取消し及び懲戒解雇が国籍による差別に当たるとして違法無効とされた事案確定
Case357大阪府板金工業組合事件大阪H22.5.21労判1015.48降格減給訴えの利益      
事務局長代理から経理主任への降格を人事権の濫用として無効とし事務局長代理の地位にあることの確認を認めた事案確定
Case358みんなで伊勢を良くし本気で日本と世界を変える人達が集まる事件名古屋R1.10.25労判1222.71解雇試用期間      
人事部長からの退職勧奨に続く「明日から出社しなくてよい」旨の発言が解雇の意思表示に当たるとして当該解雇を無効とした事案上告棄却により確定
Case359宣伝会議事件東京H17.1.28労判890.5内定損害賠償      
内定者に入社前研修を命じる根拠はなく入社前研修への不参加を理由とする内定取消しは違法であるとした事案控訴
Case360東京都(警察学校・警察病院HIV検査)事件東京H15.5.28労判852.11国賠損害賠償退職勧奨採用    
警察学校入学者に対して無断でHIV検査を行い陽性であったことを理由に辞職勧奨した行為がプライバシー侵害の違法行為であるとされた事案確定
Case361フォビジャパン事件東京R3.6.29労経速2466.21採用損害賠償      
前職を上回る待遇で被告会社に採用されるものと認識して最終面接前に前職場に退職届を提出した労働者の期待が法的保護に値するとされた事案 
Case362東京港運送事件東京H29.5.19労判1184.37残業代固定残業代民法536条2項採用求人自由な意思  
雇用契約書等が作成されていない場合に求人広告の内容での賃金合意を推認し諸手当が固定残業代に当たらないとした事案控訴
Case363コーセーアールイー(第2)事件福岡H23.3.10労判1020.82採用損害賠償      
内定予定日の数日前にされた採用内々定の取消しが期待権侵害の不法行為に当たるとして慰謝料請求が認められた事案確定
Case364グローバルレギュラトリーパートナーズ事件東京R1.10.17 試用期間解雇      
試用期間延長の根拠も事実もないとして試用期間の延長を認めず試用期間満了後の解雇を無効とした事案 
Case365東陽ガス事件東京H25.10.24労判1084.5労働者性賃金控除      
固定+歩合制の配送業者の労働者性を認め、固定給を労基法27条の保障給と同様のものであるとして売上が固定給に不足する分を労働者負担とする契約を無効とした事案控訴
Case366ノースウエスト航空事件 S62.7.17労判499.6百選労働組合休業手当     
労基法26条の「使用者の責めに帰すべき事由」は民法536条2項より広く、使用者側に起因する経営・管理上の障害も含むとした最高裁判例 
Case367World LSK事件東京H24.7.30労経速2154.24損害賠償内定      
違法な内定取消しがなければ試用期間3か月は雇用されていたはずとして給与3か月分の逸失利益が損害として認められた事案確定
Case368大島産業事件福岡H31.3.26労経速2393.24就業規則損害賠償パワハラ固定残業代労働時間残業代賃金控除自由な意思
使用者が実態と異なることを理由に就業規則の拘束力を否定することは許されず、出来高払制とされていたトラックドライバーにも日給月給制を採用する就業規則が適用されるとした事案 
Case369明治機械事件東京R2.9.28判時2493.103就業規則試用期間解雇退職勧奨損害賠償   
就業規則に試用期間延長の規定がない場合、やむを得ない事情がない限り労働者の同意を得たとしても試用期間の延長は無効であるとした事案 
Case370医療法人社団康心会事件 H29.7.7労判1168.49残業代固定残業代管理監督者     
通常の労働時間の賃金部分と割増賃金部分を判別できないことから年俸に割増賃金が含まれているとはいえないとした最高裁判例差戻審・東京高判平30.2.22労判1181.11、確定
Case371Ciel Bleuほか事件東京R4.4.22労判1286.26降格減給配置転換自由な意思損害賠償使用者からの請求   
労働者を退職に追い込む目的で行われた減給措置及び配転命令が無効とされ、横領を認める確認書に署名させられたことをもって労働者が横領を認めたとはいえないとされた事案確定

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